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アーロン・ソーキンによる傑作法廷サスペンス『ア・フュー・グッドメン』が6月、天王洲・銀河劇場で上演される。トム・クルーズの同名映画でも知られるこの作品だが、今回上演されるのは、演出の鈴木勝秀により20人に及ぶ登場人物を7人に絞り込んだ日本オリジナル版となる。
弁護士・ギャロウェイ少佐役には「ミュージカルでは勉強できないような、しっかりと軸のあるストレートプレイの役柄をやってみたかった。お話を頂いた時、自分が変われるチャンスだと思いました」という瀬奈じゅん。検察官ロス大尉には「自分はミュージカル作品の出演が多いのですが、会話劇でありながらエンターテイメントでもあるスズカツ(鈴木勝秀)さんの作品が大好きだったので、お話を頂いて即快諾でした」という小西遼生。ミュージカル界で活躍するふたりがストレートプレイで顔を揃えたというのも興味深い。
意外にも? 今回初共演のふたり。しかしインタビューの中ではさまざまな共通点が見えてくる。まずはふたりとも「“法廷もの”が大好き!」
「法定劇の魅力は、人の言葉から発するすごいエネルギー。また感情とセリフが全然違うことを言っていたりするんですよね」(小西)
「そう、それが面白い。喜怒哀楽を表現するのって楽しいんですけど、喜怒哀楽を隠しながら表現することの楽しさも法廷劇の魅力ですよね。単純じゃない取引というか」(瀬奈)
「あとは自分をコントロールできずに、ウワーってなってしまった状態での言葉のやりとりとか。この作品にはそういう魅力が詰まってる」(小西)
「緻密に積み上げていくから、アドリブが効かない怖さはありますけどね(苦笑)」(瀬奈)
作品中で裁かれるのは、米海兵隊基地で起きた殺人事件。弁護にあたった法務総監の若きメンバーたちは、事件の背後に軍隊内の“しごき”のための暗黙の制裁があったことを知り、「正義とは?」という問いに苛まれてゆくこととなる。作品のテーマについて語り合っていた際、瀬奈が例えに出したのが「SEKAI NO OWARI」の大ヒット曲『Dragon Night』。
「あの歌詞じゃないけど、いじめた方にもいじめられた方にも正義があって、理解ができないながらも理解しようとする働きというか……見方によってはなにが正義かわからないことってありますよね」(瀬奈)
「相反する別のものの真理が似ている、ということもよくあるわけで。あの歌が大ヒットしてるということは、そういうことをみんな感じてるんじゃないかなと。まさにこの作品に通じる主題ですよね」(小西)
シンプルに答えが出る問題ではないけれど、観た人が色々なことを感じ取ってもらえたら−その想いはふたりとも共通。息詰まる攻防の中に、熱い情熱が息づく作品となりそうだ。
公演は6月19日(金)から28日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは発売中。
取材・文:川口有紀
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