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佐野洋子原作の名作絵本をミュージカル化した『100万回生きたねこ』が再演される。2013年の初演で、イスラエルの演出家ユニット、インバル・ピントとアブシャロム・ポラックが作り出したかつてない世界観が評判を呼んだ本作。さらに精度を高めた作品にするべく挑む再演では、新キャストとして深田恭子が登場する。深田にとってはこれが初舞台。新たな一歩を踏み出す心境を聞いた。
これまで舞台を観る機会はあったが、「自分が踏み込んでいい場所なのかどうかわからなくて、なかなか挑戦できずにいた」という深田。その気持ちを一変させたのが、このミュージカル『100万回生きたねこ』だった。「前回の公演を映像で観させていただいて、一瞬で魅了されたんです。セリフに心揺さぶられたり、思わぬ動きに驚かされたり、繰り返される音楽に100万回生きてきたねこの人生が感じられたり。舞台の上で人生のすべてが表現されているような気がして涙が止まらなくて。この世界に自分も参加したいと思いました」。
舞台に立つからにはきちんと向き合いたいと、すでにボイストレーニングやワークショップにも取り組んでいる。「声の出し方も体の動かし方も映像とはまったく違うので、『私、こんなに動いてる!』って驚いたりするんですけど(笑)。今はとにかく、やったことのないことも、何も考えずに言われた通りにやってみようと思っています。そこからいろんなものが生まれてくるんじゃないかなと思いますし。自分でも、今までのことを全部取っ払って解き放つことが心地いいんです」。自分が舞台の上で歌い踊る姿はまだ想像がつかないという。しかし、未知だからこそ、楽しみは大きい。「自分がどんなふうに表現するのか。生の舞台の上で何が起こるのか。予想できないすべてのことを良きものとして捉えて、1公演1公演大切に作っていきたいなと思います」。
生と死を100万回繰り返してきたねこを描く物語のなかで深田が演じるのは、彼が初めて恋する白いねこ。愛というものを象徴するような役を演じることになる。が、「今回は、こういう役だからこう演じようと考えることをまずやめよう」と思っているそうだ。「動いてみて作っていくというか。演出のインバルさんとアブシャロムさん、それから共演のみなさんと一緒に役も作っていきたいなと思っているんです」。不安やプレッシャーも前向きに捉え舞台に臨もうとしている深田。その勇気が、凛とした白いねこの姿に重なった。
公演は8月15日(土)から30日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウス、10月2日(金)から4日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて。
取材・文:大内弓子
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