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ミュージカル『ジキル&ハイド』『アリス・イン・ワンダーランド』など、日本でも多くのヒット作で知られるブロードウェイの作曲家フランク・ワイルドホーン。彼が2005年に手掛けた『スコット&ゼルダ』が、ついに日本で初演を迎える(日本版演出は鈴木裕美)。『グレート・ギャツビー』(2013年レオナルド・ディカプリオ主演で映画化『華麗なるギャッツビー』邦題)を書いた作家スコット・フィッツジェラルドと、その妻ゼルダの数奇な運命を、1920年代という"ジャズ・エイジ"を絡めて描く話題作だ。今回、主役のスコットを演じるウエンツ瑛士と、ゼルダ役の濱田めぐみに聞いた。
1917年のアメリカ。平凡な日常に退屈していたゼルダ(濱田)は、あるパーティで作家志望の青年スコット(ウエンツ)と出会う。意気投合したふたりは恋に落ち、結婚。やがて第一次世界大戦が終わり、酒と享楽が時代を支配するなか、人気作家となったスコットと妻ゼルダは「ロストジェネレーション」の一員として、ゴシップ欄の常連となっていき…。
一躍時代の寵児となるも、44歳で非業の死を遂げるスコット。これまで映画や舞台で様々な人物像が描かれてきたが、ウエンツは「純粋で繊細な人だと思う」と語る。スコットが『グレート・ギャツビー』を発表したのは29歳の年だが、「僕もちょうど初日の1週間前に30歳になるので、縁を感じますね」とウエンツ。「ただ、どういう人物なのかというより、"スコットのどこにゼルダは惹かれたのか"を意識して演じたい。時代に愛されたスコットの魅力を、きちんとお客様に伝えられたら」と話した。
相手役となる濱田は、「ゼルダはスコットと出会わなければ、普通に人生を終えていた人かもしれない」と話す。「でもふたりが一緒になったことで化学反応が起きて、時代も巻き込んだ代わりに、あっという間に人生も破綻してしまう。運命に定められていたような彼女の人となりを、稽古の中で探っていきたいですね」と語った。
昨年、初めてのミュージカル出演で高い評価を得たウエンツだが、「ミュージカルの楽しさと難しさと、両方味わった。気持ちを歌に乗せる心地よさも知ったので、その時に出来なかったことをもっと深めていきたい」と意気込む。ワイルドホーンらしいダイナミックなメロディにジャズテイストが織り込まれた楽曲については、「ふたりの波乱万丈な人生が1920年代のジャズミュージックに乗せて綴られていきます」と言う濱田。続けて「明るい音楽の底に流れる物語を、同時に表現しなくてはいけないけれど」とその難しさも語った。
最後は、ミュージカル界では先輩となる濱田が「相手役としてウエンツくんを立てるのが、私の最終目標」と笑うと、ウエンツも思わず笑顔に。取材中も軽妙なやりとりを見せていたふたりに、本番への期待が高まるインタビューとなった。公演は10月17日(土)から11月1日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、11月7日(土)・8日(日)大阪・新歌舞伎座にて。
取材・文 佐藤さくら
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