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1996年のオフ・ブロードウェイ初演以降、世界15ヵ国で上演され、映画化もされたミュージカル『RENT』。20世紀末のNYを舞台に、貧困やHIV、ドラッグ、同性愛といった問題を抱えた若者たちが、それでも今を懸命に生きる姿を熱く描いた青春群像劇だ。日本でもファンが数多くいるこの人気作が、新たなキャストで3年ぶりに上演される。物語の語り部でもある映像作家・マークを演じるのは村井良大。そのルームメイトで、元ジャンキーのロッカー・ロジャーは堂珍嘉邦とユナク(超新星)がWキャストで演じる。
3人とも『RENT』には初参加。オーディションに際してDVDを観て「衝撃的な出会いをした」と話すのは、『弱虫ペダル』などの人気作をはじめ、映像・舞台問わず若手実力派として数多くの作品に出演している村井だ。「それまで『RENT』を知らなかったので、勉強のために映画版と、ブロードウェイ版のDVDを観ました。それを観て泣いたんです。僕、舞台のDVDで泣いたのは初めてでした。なんでこんなに胸を打つんだろう、と…」。
この作品が胸を打つ理由はどこにあるのだろう。「なかなか扱わないテーマを扱っているからじゃないかな。HIVとかLGBTとか、あまり知られていない世界だから、気になる。でも実はそんな遠いものじゃないよ、と。しかも曲もいい、キャラクターもみんなそれぞれパワーがあるし個性的。色々楽しめる」と話すのはユナク。堂珍は「この作品は、自分たちはいつ死んでしまうかわからないということや、自分に対しての葛藤が描かれている。つまり自分に向き合うということ。結局、お芝居をする時や歌を歌う時は、自分の人生を振り返って、その中から爆発させるしかないんです。でも作品を作る上で、ここまで自分の歩んできた道と向き合うことって、なかなかない。だから、この作品は良いんじゃないかな」と話した。
そんな彼らは現在、絶賛稽古中。カンパニー全体の雰囲気について訊くと、揃って自信の表情を浮かべた。「『RENT』初めての人から2回目、3回目の人、色々いるけれど、今回はそれぞれが“満を持して”挑んでいる感じがする。みんなが円熟してきている」と堂珍が言えば、村井も「確かに。前回出演していた人だけでなく、みんながちょうどいいタイミングで集まった。僕も今回翻訳ミュージカルの出演は初めてなんですが、ここでミュージカルに挑戦することは年齢的にもひとつのステップアップになるし、逆にいままでの舞台で培ってきたものをここにぶつけられると思います」と同意。ユナクも「みんなでいるのがすごく楽しくて、超新星のメンバーも、最近ユナク明るくなったねって言ってます。変わっていく自分が新鮮」と自身の良い変化を自覚している。
「今回のキャストは、みんなが素敵なパワーを持っている。2015年版『RENT』見とけよ! 覚悟しておいてください! くらいの気持ちです(笑)」(村井)
公演は9月8日(火)から10月9日(金)まで、東京・シアタークリエにて。その後大阪でも上演される。チケットは発売中。
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