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ユースケ・サンタマリア、新境地は逃げ場のない舞台
2015年08月28日 19時15分 [演劇]
『タンゴ・冬の終わりに』
『タンゴ・冬の終わりに』

清水邦夫が1984年にPARCO劇場に書き下ろした戯曲『タンゴ・冬の終わりに』が、約30年ぶりに同劇場に帰ってくる。平幹二朗主演、蜷川幸雄演出による初演の印象が濃い名舞台を、三上博史主演、行定勲演出の新コンビで再構築。突然引退して故郷に帰ってしまった演劇俳優・清村盛を演じる三上を中心に、盛の妻・ぎん役の神野三鈴、盛を追いかけてくる新進女優・水尾役の倉科カナといった新鮮な顔合わせに期待がかかる。その豪華出演陣の中で、ひときわ突出した個性を放つキーマンがこの人、水尾の夫・連を演じるユースケ・サンタマリアだ。

舞台『タンゴ・冬の終わりに』チケット情報

「まさにこれが演劇!と思っていた作品が、ついに俺にも来たかと嬉しかったですね。台本は読めば読むほど面白くなってくるし、台詞がすさまじくイカしてますよ! 30年前に書かれたものなのに、まったく色あせない普遍的な魅力があって、一字一句変えたくない。このまんま、こんなふうに言いたいという自分の勝手な理想はあるけど、うまく言えなくてもどかしい。それくらい台詞に魅了されています」

実家である古い映画館に引きこもり、しだいに精神を錯乱させていく主人公・盛。以前から三上の持つ妖しい存在感に惹かれていたというユースケは「この役は三上さんにしかできないんじゃないかと思うくらいピッタリ。世間の皆が感じている三上さんの狂気性、その集大成を盛という人物に見られると思いますよ」と絶賛。自身が演じる連については「僕はもう、みじめさの集大成。みじめなのは得意技だけど、ここまでストレートだと可哀想で」と苦笑する。盛をとりまく、ぎんと水尾。男女三人の愛憎の渦に不器用に割って入る連は、時に場の緊張を解く緩和剤ともなる。「僕が出ることで、一気にその場の空気を変えなきゃいけない。きっと皆さんは“だからユースケが配役されたんだな”と思うでしょうけど、最後の最後にはショックを受けると思います。好きな女が自分を見ていない、そんなみじめで苦しい、男の根幹の部分でめちゃくちゃ悲しいと思える役。でも、すごく好きな役なんですよ」

開幕直前の今は、冗談めかして「愚直に、しつこく何回も繰り返す(笑)」と信頼を寄せる行定演出のもと、稽古は最終段階に突入している。「三上さんも苦しんでいるし、僕が“芝居モンスター”だと思っていた神野さんでさえ、いっぱいいっぱいになってる。そんな手強い台本で、逃げ場なし! でも、自分はそういう演劇がやりたかったんだなと。恐怖も感じるけど、早くやりたいワクワク感がそれを凌駕しちゃってる。この共演者の方々とやれるのは光栄だけど、ただ光栄で“ついていきます”だけじゃなく、自分のポジションはしっかり務め上げて、皆と肩を並べたい」

ユースケ・サンタマリアの並々ならぬ決意が昇華した、新たな傑作舞台の誕生をぜひ見届けたい。

公演は9月5日(土)から27日(日)まで東京・PARCO劇場、その後大阪、石川、福岡、愛知新潟、富山。宮城でも上演される。チケットは発売中。

取材・文 上野紀子

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