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アメリカ演劇界の鬼才デイヴィッド・マメットによるふたり芝居『オレアナ』が11月、東京・渋谷のPARCO劇場で上演される。今回は、栗山民也の演出、小田島恒志の新翻訳で装いを一新。舞台や映像で幅広く活躍する実力派、田中哲司と、満を持して初舞台に挑む志田未来の新鮮な顔合わせが実現した。登場するのは大学教師のジョンと女子学生のキャロル。ふたりだけの研究室で交わされる会話は、両者のパワーバランスを微妙に変化させてゆく。はたしてこれは“セクシャルハラスメント”なのか…!?
「最初の会話は内容の薄さを思わせて、二幕、三幕と進むうち、ふたりの立場がガラッと変わっていく。この面白さは舞台ならではの醍醐味ですよね」と語る田中は、志田に「台本読んでみて、どうだった?」と問いかける。志田は「ふたりの会話が続くうちに、少しずつ話がこじれていきますよね。自分が何かひとつでも間違えたり、うまく入り込めなかったら作品として成立しないなと。はあ〜舞台ってこんなに大変なんだ!ホントにできるかな!?と思いました」と、初舞台への率直な思いを返した。言葉を吐けば吐くほどすれ違い、両者の溝を深めてゆく。そんなディスコミュニケーションの恐ろしさを描いた問題作では、ジョンとキャロル、どちらの心情に寄り添うかで観客の判断も大きく揺さぶられることになりそうだ。
「キャロルを“言いがかりをつけるイヤなヤツ”と見る人もいれば、“あれは彼女が可哀想だ”と思う人もいるだろうし。とらえ方によって見方が変わる、不思議で奥深い作品ですよね。僕はキャロルが怖いし、腹の底がみえないと思いました。そんな、ちょっとしたことをセクハラにさせてしまうこの子は何者だと。男目線ですよね」(田中)。「私は完全に女目線で、キャロルに感情移入しながら読みました。伝えたいことが伝わらないもどかしさを感じて、理解してもらいたいのに全然違う答えが返ってきて、モヤモヤして……。彼女がすごく可哀想に思えました」(志田)
過去にTVドラマで共演した間柄ゆえ、和やかな会話が続くふたり。「未来ちゃんにポテンシャルがあることは十分知っているので、初舞台でも何の心配もないです。大丈夫、頑張ろう」と田中は気さくに声をかけるが、そのやりとりは劇中のふたりに重なるようで…。「ホントですね。大丈夫だよ、なんて言ってたら足元をすくわれたりして…!」(田中)
男と女が繰り広げる緊迫のパワープレイを、はたしてどちらに肩入れして観ることになるのか。ぜひ劇場で確かめてほしい。「今までの自分になかったものを引き出せる作品になるんじゃないかなと思うので、すごく楽しみです」(志田)。「女性のお客さんにはにらまれるような気がするので、男の人には僕の味方になって観ていただきたい(笑)。きっといい作品になると確信しています」(田中)
『オレアナ』は東京・PARCO劇場で11月6日(金)から29日(日)まで上演。その後、愛知、福岡、広島、大阪を周る。東京公演のチケット一般発売は9月5日(土)午前10時より開始。
取材・文:上野紀子
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