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村井良大らが出演するミュージカル『RENT』が9月8日、東京・シアタークリエで開幕した。1996年のオフ・ブロードウェイの開幕以降、世界で愛され続け、日本でも上演を重ねている作品。出演者は全キャストオーディションで決定、いわゆるミュージカル俳優に限らない幅広い人材が集まるのも特徴だ。今回も個性豊かなキャストが熱いパフォーマンスをぶつけ、化学反応を起こし、珠玉のステージになっている。
『RENT』はプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、舞台を20世紀末のNYに移したもの。映像作家のマークは、彼女に女性の恋人が出来てフラれたばかり。さらに住んでいるロフトの家賃(RENT)は滞納し、クリスマス・イブに暖をとることも出来ない。ルームメイトのロジャーは元ジャンキーでHIV陽性で引きこもり。死ぬ前に“栄光の1曲”を残したいと思っている。さらに階下に住む少女・ミミに惹かれていくも、一歩踏み出せない。クリスマス・イブに出会ったゲイのカップル、コリンズとエンジェルはたちまち恋に落ち、ふたりで暮らそうと約束するが、彼らもまたHIVキャリアで残された時間はあまりない……。問題や欠点を多く抱え、明日も見えない中、それでも自らの個性を大切にし、今日を懸命に生きようとしている若者たちが織り成す青春群像劇だ。
物語の語り部も担うマークを演じる村井良大は、翻訳ミュージカル初挑戦だが、安定した歌唱力で物語を牽引する。また仲間たちをフィルムに収めていく彼は傍観者であり、HIV陽性でもない彼はやがて残される宿命を負っている。そんな居所のなさを、掴みどころのない笑顔で演じているのが印象的。ロジャーは堂珍嘉邦、ユナク(超新星)のWキャスト。苛立ちを叩きつけるかのようなパッションを、“元ロッカー”という立場と上手くリンクさせた堂珍、逆に暗いまなざしが悲しげで心に残ったユナクと、好対照な役作りで面白い。またコリンズ役のふたり(TAKE[Skoop On Somebody]と加藤潤一のWキャスト)も非常に素晴らしく、ともに『I’ll Cover You (Reprise)』の熱唱は観ていて号泣必至だ。心優しいエンジェルに扮したふたりも、平間壮一のチャーミングさ、ドラァグ・クイーンという設定が非常に説得力のあった美しいIVANと、見比べてみるのが楽しい。文字数の都合もあり全員分の感想を記せないのが残念だが、すべてのキャストがそれぞれにこの作品を愛しているのが伝わってくる熱演。誰もが主人公たるこの作品を、キャストそれぞれが真摯に、そして熱をもって体当たりで演じ、『RENT』のテーマ――No Day But Today=今を生きる――を、美しく浮かび上がらせた2015年『RENT』カンパニーに拍手を贈りたい。
公演は10月9日(金)まで、東京・シアタークリエで上演。その後10月16日から18日(日)まで、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
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