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乃木坂46の2人をゲストに招いた前回の本公演「Mr.カミナリ」も話題を集めた劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)だが、結成36年目を迎えての最新作「虹を渡る男たち」はゲストなし、劇団員のみの「原点に戻る公演」。そう語る座長の三宅裕司と、旗揚げ以来、三宅との名コンビで劇団人気を牽引してきた小倉久寛に話を聞いた。
スーパー・エキセントリック・シアター『虹を渡る男たち』チケット情報
「虹を渡る男たち」は、日本の芸能界を舞台にしたタイムトラベルもの。三宅、小倉演じるかつてのヒットメーカーが、ある奇妙な男が発明したタイムマシーンで、自分たちが芸能界を去るきっかけとなった“過去”へと戻る。
「すごく面白い話だと思いますよ。『今の気持ちであのときに戻ってみたい』とかいうことは誰でもよく思うことですから。でも結局、『今が大事、これからが大事』ってことになる。気持ちではわかりつつも、そういう行動にはなかなかなれないですけど(苦笑)」(小倉)
「SETの場合はまずテーマがあって、それを伝えるために“ミュージカル”と“アクション”と“コメディー”の3要素がある。テーマが笑いでそのためにはなんでも入れていこうという考えの熱海五郎一座とは、そこが違うところですね。今回そのテーマの部分には、2人の男の友情や、文明に溺れてしまっている現代人への批判もありますが、それをギャグ満載でどう観せられるか、ですね」(三宅)
磐石の三宅&小倉コンビに今回割って入る“第三の男”が、野添義弘だ。入団34年目、全身タイツ姿の劇団内ユニット「タイツマンズ」などでも人気を確立しているベテランが、どんな活躍を見せるか。
「野添は我々のアクションの先生。歳はそんなに違わないのに、体がすっごくキレるんですよ。悔しいから、『お前が体を動かすうちは俺も絶対動かすからな!』って言ってるんですけど(笑)」(小倉)
「野添が僕らそれぞれと絡んだことはあっても、3人がどっぷりっていうのは今回が初めてかなと。ここが化学反応を起こしたらいいなと思っています。そうすると僕も相当ボケられるし(笑)」(三宅)
三宅、小倉、野添の50代、60代もまだまだパワフルだが、下は19歳からと、劇団員の世代は幅広い。「来年から年金もらえる歳ですよ」と笑う現在64歳の座長・三宅も“世代交代”を口にする。
「劇団がこの先も存続するのか、三宅一代で終わるのかってことを現実的に考えなきゃいけない時期になってきているわけですよね。もちろん存続してほしいので、そのためには原点に戻って、劇団員だけの力でどこまでやれるのかを試さなきゃと思います」(三宅)
タイムマシーンで戻った過去に、未来へのヒントがきっと隠されている。公演は11月7日(土)から23日(月・祝)まで、東京・サンシャイン劇場にて。
取材・文/武田吏都
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