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人気脚本家・三谷幸喜が待望の監督最新作『ギャラクシー街道』を完成させた。前作で本格的な時代劇に挑んだ三谷が、次に選んだ舞台はなんと宇宙! 老朽化が進み、閉鎖がささやかれる“ギャラクシー街道”にひっそり佇むハンバーガー店で、店主夫婦と行き交う客たちの人間…ならぬ宇宙人模様が交差する三谷流スペース・ロマンティック・コメディだ。
「ラブストーリーや少しだけ艶笑的な要素も含んだ作品。今までの自分なら照れくさくてできなかった表現も、SF映画だから実現できた」と三谷監督。「宇宙といえばスペクタクルかもしれませんが、僕は宇宙にある種の“さみしさ”を感じるんです。映像化の方向性には悩みましたが、最終的にはセットを作り、窓からは書き割りの宇宙が見える。そんなテイストにこだわりました」という。
その言葉通り、スクリーンには“懐かしい未来観”が漂い、香取慎吾、綾瀬はるから豪華なキャスト陣も伸び伸びと演技を楽しんでいる。「最終的には“SF(サイエンス・フィクション)”の“サイエンス”の部分は忘れようと(笑)。ブレーカーが落ちるシーンがあるSF映画なんて、前代未聞じゃないですかね。60年代の人たちが思い描いた未来というか、個人的には子どもの頃見たアニメ『宇宙家族ジェットソン』みたいな雰囲気がいいなって」(三谷監督)。
スペース国土交通省の役人が往年のワープロ・文豪を使用するという設定は、テリー・ギリアム監督の『未来世紀ブラジル』を意識したのだとか。「今回珍しく、エロスの世界を描いたのはジェーン・フォンダ主演の『バーバレラ』に影響された」とも。そもそも『ギャラクシー街道』というタイトルは、名作SF『銀河ヒッチハイク・ガイド』を思い出せずにいた三谷監督が「えーっと、何とかガイド…、ガイド、あっ、街道!」という流れで決定したそうだ。
「僕らの世代は中学時代に『2001年宇宙の旅』と『猿の惑星』が同時期に公開されて、どっちを支持するかケンカになったほど。僕は100%『猿の惑星』派でしたし、大学生になると今度は『未知との遭遇』と『スター・ウォーズ』が公開されて、当然『スター・ウォーズ』が好きでした。年末に『スター・ウォーズ』の新作が公開されますし、お互い良きライバルとして切磋琢磨できればと思っています(笑)」
『ギャラクシー街道』
10月24日から全国東宝系ロードショー
取材・文・写真:内田涼
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