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バレエやオペラでも有名なアベ・プレヴォ作「マノン・レスコー」を、20世紀初頭のフランス領インドシナに置き換えた宝塚大劇場公演『舞音-MANON-』。月組トップスター・龍真咲(りゅう・まさき)は、美しい踊り子・通称 舞音(マノン)に翻弄される青年シャルルを演じる。「こんなに泣くのは初めて、というぐらいマノンへの愛を貫き通します!」と言い切る龍。余韻溢れる悲恋ものが誕生しそうだ。
「今回の見どころのひとつがアジアンテイストです。ニューヨーク在住の韓国人作曲家ジョイ・ソンさんの音楽は、どこか懐かしい音色で魅力的。セットには本物の竹を使います」。最近物語の舞台、ベトナムのハロン湾まで足を運び、稽古着用のアオザイも作ってきた。「植民地時代の建造物などに歴史を感じました。ベトナム人の方が書かれた詩集がまた素敵で、ロマンティックな中に真実味があり心打たれました」
男役の美弥るりかが“もう一人のシャルル”として登場し、リアルな感情を表現していく劇構造も面白い。「もう一人のシャルルは、エリート将校であるがゆえに閉ざしてきたものを解放している人。その彼に、私が演じるシャルルもマノンと共に惹かれていくんです」。本当の自分とは? と静かに苦悶する龍のシャルルは、男役の力量が試される役。元ハンブルクバレエ団ソリストの大石裕香が振り付けるダンスも、「役者が演じる余白を残してくださりシンプル。ラブロマンスを純粋に描く今作の意図にぴったり」というから、龍の豊かなキャリアが活かされそうだ。
同時上演のショー『GOLDEN JAZZ』は、「こんなにジャズづくしなのは私も初めて。ジャズのルーツを辿るという意味で壮大なゴスペルのシーンもあります」と話す。観客参加型のショーという試みもあり、公式ホームページで振付の一部を公表中。「私たちが皆様のテンションを上げるので、ぜひ一緒に踊って楽しんでください!」
今年、日本初上演となった話題の『1789−バスティーユの恋人たち−』で、革命家ロナンを演じ切った龍。その東京公演中「広いと感じていた大劇場の空間を、それほど広く思わなくなった瞬間がありました。役に集中することで埋めることができたというか…」と打ち明ける。トップ4年目の今、確かな充実期にあり「恐れずに立ち向かう」と邁進する龍。そんな彼女が愛犬の話をするときはとびきりの笑顔を見せる。「何も考えない時間も大切です(笑)」と。
そしてまた大劇場の中央に立つ。「今回はチームに分かれていた月組が再び集結し、一人ひとりが実力を持ち合わせて届ける舞台。そういう意味でも月組の新たな“変化”を見せたいです」
公演は宝塚大劇場にて11月13日(金)から12月14日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は2016年1月3日(日)から2月14日(日)まで。11月29日(日)より一般発売が開始される。
取材・文/小野寺亜紀
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