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ラサール石井が原案・作詞・演出、哀川翔が主演のミュージカル『HEADS UP!』が、11月13日にKAAT 神奈川芸術劇場ホールにて開幕。前日に同会場でゲネプロ(公開リハーサル)が行われた。
同作は、バックステージで働く舞台スタッフにスポットを当てた新作オリジナルミュージカル。哀川や橋本じゅん、中川晃教ら豪華キャストに加え、M&Osplayプロデュースの舞台「虹とマーブル」やNHKのコント番組「LIFE!〜人生に捧げるコント」を手掛ける倉持裕が脚本、一世風靡セピアや劇団☆新感線、「Endless SHOCK」などを手掛ける川崎悦子が振り付けを担当するなど、舞台好きにはたまらない作品だ。
ゲネプロ前の囲み取材で、ラサールは「10年間、私の頭にあったものが、優秀なスタッフと素敵なキャストのおかげでなんとか現実のものになったのは非常に感慨深いですね」と笑顔。
本番を前に哀川が「ミュージカルは初めてなので、かなり緊張をしています。明日、本番ですか?」と漏らすと橋本が「別の日にします?」と返すなど息はピッタリ。相葉裕樹は「裏方さんの役をやりますと、表に立たれる方も裏で舞台を支える方も本当に同じ気持ち――舞台を成功させたいという気持ちで臨まれているのだなと改めて感じて。明日が楽しみです」、宝塚歌劇団出身の大空祐飛は「私はずっとミュージカルをやってきたんですけど、すごく新鮮なミュージカルだなと思って。楽しみにしています」と語った。また、作詞もラサールが担当。橋本が「詞がいいので一言一句お客さんに伝えたいなって思いますね」と絶賛した。
取材中は終始賑やかで、哀川が「隙を盗んで(劇中で)バク宙をしたい」と言い出すと、ラサールをはじめ共演者全員で止めるなど、随所にチームワークの良さが見えていた。
舞台は、ステージ上にほぼ何もない状態からスタート。普段、客席からは観ることのできない大道具のセット組みから照明、音響、衣装、制作、小道具、演出部などの本番前、本番中、本番後の姿が描かれていく。幕を開けるために必死で準備する人々を誰もいないはずの客席から観る、という不思議な感覚が楽しめる。また、客の立場としても思わず「そうそう!」と言いたくなる“舞台あるある”も満載。気付けば今自分が観ている舞台、セット、裏で支えている人々、そしてキャスト、客としての自分、会場というものを一つ一つ意識し、「舞台」がより愛おしく感じられはずだ。
11月23日(月・祝)までKAAT 神奈川芸術劇場ホールにて。その後、兵庫、北海道、岡山を巡演。
取材・文:中川實穗
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