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『RED』では20世紀を代表する画家マーク・ロスコ、『オレアナ』では女子大生に追い詰められる大学教師。2015年は緊迫感ある二人芝居に立て続けに挑戦してきた田中哲司。そんな彼が一転「安心感しかない」と語るのが、2016年2月に上演される『同じ夢』だ。THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が作・演出を手がけ、田中以外にも光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかりといったそうそうたるメンバーがシアタートラムで濃密な劇空間をつくりだす。
「二人芝居だと、どうしても自分が頑張らなきゃと背負ってしまう部分がある。もちろんそれはいいことでもあるんですけどね。一方、今回は仲のいい共演者がずらりと揃っているから、自分のことだけ考えて、あとはみんなにお任せしておけば大丈夫だと思います」と『同じ夢』について語る田中。なかでも光石とは、かつてある二人芝居を、短い稽古期間で乗り切った仲。「その状況を楽しもうと、ふたりで毎回動きを変えて演じました」と実に楽しそうに語る。「決して変えることをよしとしているわけではないんです。でもどの芝居でも、観てくださる方にわからないくらいの微妙な変化は日々ありますね。たとえばテンポのいいシーンで“今日は速さの限界に挑戦しよう”と試してみることもあります」と舞台ならではのエピソードを教えてくれた。
赤堀とは、長塚圭史率いる葛河思潮社の『浮標』で俳優として共演経験があるが、演出を受けるのは初めてのこと。「赤堀くんの無骨な、飾らない演技が好きですね。ただ、THE SHAMPOO HATの芝居を見始めたのはわりと最近なんです。だって劇団名だけみたらSFとか書きそうでしょ(笑)。でも実際に見てみると、独特の場末感があって、不器用な人たちが集まっている。登場人物を愛せる芝居ですよね」と赤堀作品を評する。「演出家としての赤堀くんのことはまだ知らないけれど、きっと面白いものになるだろうと確信しています」。
2015年に出演した2本の舞台は、いずれも翻訳劇だった。「翻訳劇って、1行しゃべるだけでもどうしても違和感が生まれる。それをいかに身体に落とすかが大変なんです」。そんな作品を乗り越えて挑む『同じ夢』は田中にしてみれば「ご褒美のようなもの」だとか。「相手役と一緒に稽古をしながら台詞を覚えるのっていちばんの贅沢だし、楽しみで仕方ないです」。
公演は2月5日(金)から21日(日)まで東京・シアタートラムにて上演。チケットは12月13日(日)10時より前売り開始。チケットぴあでは一般発売に先がけ、12月9日(水) 11時よりWEB先着先行<プリセール>を実施する。また東京公演の後、松本・名古屋・兵庫・広島・福岡ほかを巡演。
取材・文:釣木文恵
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