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舞台「ホテル・カルフォリニア」が過激に開幕!
2016年02月05日 19時25分 [演劇]
舞台「ホテル・カルフォリニア」 (C)すぎむらしんいち/講談社
舞台「ホテル・カルフォリニア」 (C)すぎむらしんいち/講談社

「テツ、オマエ、山登りは得意か?」
土砂降りの雨の中、聞かれて答えるのはビシっとしたスーツ姿の篠崎哲也。
「全然、得意じゃありません」
しかし、それがすべての始まりだった──目の前には崩落した道と恐ろしい濁流。その山の上にあるのは「ホテル・カルフォリニア」。

舞台「ホテル・カルフォリニア」チケット情報

鬼才・すぎむらしんいちのエッチでバイオレンスなクライムコミック「ホテル・カルフォリニア〜HOTEL CALFORINIA〜」(講談社/ヤングマガジン)初の舞台化で、主人公・篠崎に挑んだのは、福士誠治。一見クール、けれどナイーブ、無軌道なヤクザを演じている。組の下っ端、ポン引きの彼は斡旋した売春婦・伊藤モト子(今野杏南)の売上を取り立てるため、危なっかしい舎弟の健二(山田悠介)と北海道の山奥へ。同行するのは真っ白なスーツでニヤニヤ笑う、同じ組の池田(なだぎ武)。しかし彼らを待ち受けていたのはヘビ、そしてクマ! さらには自生する大麻だった!?

一方、ホテルでも異変が起きていた。
社長が姿を消し、後には雇われたばかりの支配人・岩崎(吉増裕士)と掃除のおばちゃん(平田敦子)半端な見習い従業員だけが……事務所の机には「辞表」が一通。携帯も入らない山中で電話も止められ道路は断絶、陸の孤島と成り果てた。

上下に分けられたセットを巧みに使い分け、次々と場面が展開、それぞれの空間で暴れるのは自由すぎるキャストたち。初っぱなから下着姿で登場する、どこか天然なモト子に対抗するかのように見習い従業員たちもトンデモ衣裳姿を披露。浜崎(町田水城)はセーラー服にピンクのブルマーで闊歩し、バニーガール姿の竹田(山岸門人)をぶん殴る。そんな彼らを一喝するのは金髪でロックに生きる後藤加世子(中尾ちひろ)。裏腹にお子ちゃまな太田カオリ(天乃舞衣子)は混乱して泣き叫び、おばちゃんはスパゲッティを黙々と頬張る。

壊れまくった人々のなか、ずば抜けて美しい女装を披露するのは、濁流にかかる虹を褒めたために「虹男」扱いされるマイペースな良男(太田基裕)。彼は叫ぶ。
「僕は変態だけど! あいつらは犯罪者!!!」
スレンダーな大女なのに可憐なホテルの制服姿で華を添え、タイミングを逃してお手洗いに行くのを我慢しつづける姿(!)に注目だ。

やがて、篠崎たちはホテルに到着。池田はモト子を押し倒し「パイオツ! パイオツ!」と連呼(笑)。そこに大麻を育て隠遁生活を送っていた、謎のすけべじーさん・金次郎(松尾伴内)も闖入、事態は予想の斜め上へ。気づけばクマに追われヤクザが乗り込み警察に囲まれ、立てこもり事件へと発展。さらに無茶なリゾート開発に怒った村人たちがホテルに火を放ち……激しい銃撃戦の果て、彼らが迎える結末や如何に!!!

破天荒な原作に真正面から挑んだ、ド直球勝負の舞台は2月4日(木)から14日(日)まで、東京・紀伊國屋ホールにて上演。

取材・文/おーちようこ

チケットぴあ

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天乃舞衣子

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