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人気小説家・森見登美彦の作品を舞台化した『青春音楽活劇「詭弁・走れメロス」』。ひねくれものの阿呆大学生が京都を疾走するという森見版『走れメロス』を舞台化し、好評を博した作品だ。そして初演より3年半を経て、待望の再演が行われることに!
演出・松村武にとって、大掛かりな“実験”だったというこの作品。独特の文体が魅力である森見作品を舞台化するにあたり、松村が取った手法は「小説の文章をそのままモノローグとしてセリフにし、一本の短編小説をそのまままるごと演劇化する」というかつてないもの。
松村「出演者たちと試行錯誤を繰り返して作り上げた、自分にとって財産といえる作品ですね」
初演以後、この手法を他作品でも取り入れているという松村にとって、いちひとつの新たなスタイルを確立するきっかけとなった作品なのだ。
膨大な量のセリフとモノローグを喋り、演じ、そして疾走する……そんなハードな主人公・芽野史郎を演じるのは、初演に引き続き武田航平。
武田「『大変です』って言うの、好きじゃないんです。でもこの作品に関しては『大変です』(笑)」初演時は、要求される集中力と肉体的なハードさに「舞台上での記憶がほとんどない」とか。
武田「でも、得るものがたくさんあるし、それを後の自分の武器にできる、ということがわかっている作品でもある。だから再演できるのは嬉しいですね」
主人公・芽野の無二の親友、芹名を演じるのは、今回初出演となる中村優一。
中村「(初演は)観終わった後に心も体も暖かくなるし、また観たいなと思えた作品。でもこれを自分がやるとなると……(笑)楽しみでもありますし、今からドキドキしてます」
観終わった後、改めて「友情について考えてしまった」という中村。そう、この作品で描かれる友情は、とても一筋縄ではいかないもの。なにせ、この作品におけるメロスは「約束を守らないために走る」のだから。
武田「芽野も芹名もいろいろ面倒くさいし、こじらせてますよね(笑)。そこが素敵なんですけど。今回は優一君が入ることで、自分でも見えなかった部分が出るかもしれない」
中村「僕、本当は面倒くさい人間なんですよ。そういう部分は自覚してるので、今回の舞台でダダ漏れになってもいいというか……自分のそういう部分が活かされるのであれば活かしたい」
松村「そういうのが役にフィードバックできたらいいよね(笑)。中村君が加わることで、だいぶ変わると思いますよ。芽野と芹名は『阿呆の双璧』って言われてますけどますけど、むしろインテリジェンスが溢れすぎてておかしくなってるという非常に文学的な存在。そういう匂いが出せれば」
公演は4月29日(金・祝)から5月8日(日)まで東京・シアターサンモール、5月14日(土)京都劇場で行われる。
取材・文:川口有紀
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