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噂の来日公演が再び実現、妄想の紳士たちの正体とは!?
2016年02月23日 18時00分 [演劇]
左から、宮下雄也、オラキオ、平野良  撮影:鈴木かずなり
左から、宮下雄也、オラキオ、平野良  撮影:鈴木かずなり

西田シャトナー伯作・演出によるムッシュ・モウソワール第2回“来日”公演『レッド・ジャケット』が5月、草月ホールにて上演される。ムッシュ・モウソワールとは西田が生み出した「妄想をテーマにした新しいフェイクコメディ」シリーズで、「フランスからやってきた日本語の堪能な妄想の紳士たちが、妄想力の限りを尽くして表現する」という設定のもとに繰り広げられるステージだ。「ライバルはシルク・ド・ソレイユですね」と飄々とつぶやくオラキオ伯に、平野良伯と宮下雄也伯が爆笑で応える。昨年の第1回来日公演から連続出演となる3人に、謎めくムッシュ・モウソワールの魅力、今作への思いを聞いた。

ムッシュ・モウソワール第二回来日公演『レッド・ジャケット』チケット情報

「5人の出演者が出ずっぱりの舞台で、細かなきっかけがたくさんあるので、ずっと集中していないとダメなんです。中身はすごく繊細なんだけど、それをパワフルに、ダイナミックに見せないといけない。最後に“なんかスゲーものを観たな!”と思ってほしいんだよね」(オラキオ伯)
「そう、上演する演目のストーリーの面白さもあるんだけど、やっぱり5人の熱量ですよね。人が本気出してフルパワーで演じているところが、観ていて気持ちいいんじゃないかな」(平野伯)
「試合みたいな舞台だよね。前回の最初の通し稽古で、あまりにも大変すぎて全員瞳孔が開いて酸欠になっていました(笑)。今回もそうなるんじゃないですかね」(宮下伯)

シンプルな舞台上、俳優陣が次々に繰り出す全身を駆使した表現によって、観客のイマジネーションが刺激される。その場にいる全員が“妄想の共犯者”となって劇が進行していくスタイルは、西田の舞台作りの真骨頂だ。演劇の原点ともいえる面白さが注目され、第1回来日公演は連日大盛況。あまりの反響に「DVDで残したかった。まさかこんなに話題になるとは思わなかったから」とうなずき合う3人だが、すぐさま、「だけどムッシュ・モウソワールほど、生で観たほうがいい舞台はないと思います!」と頼もしく宣言した。

「妄想がただの妄想で終わらず、現実社会にも影響してくるんです。現実の自分がその妄想を経たことで、成長していく。ただ楽しいだけで終わるのではなく、今回もそんなことを感じとれる作品にしなきゃいけないなと思っています」(オラキオ伯)
「シャトナー伯はものすごい少年なんです(笑)。何にでもムキになるシャトナー伯に、僕らもムキになって返していく。そのエネルギーをお客さんに向けて放ちます。遊園地に来た気分で観ていただければ、きっと心がスッキリすると思いますよ」(宮下伯)
「そう、子供がそのまま大きくなったような方なので、男性のお客さんのほうが観ていて“あ〜わかる、わかる!”となるんじゃないかな。ぜひカップルで来ていただいて、観終わった後は舞台の勢いのままに愛の告白をされることをお勧めします(笑)」(平野伯)

妄想を現実に変える力が潜む、噂の舞台。その威力をぜひ劇場で確かめたい。公演は5月11日(水)より草月ホールにて。チケット一般発売は3月12日(土)より。

取材・文 上野紀子

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