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4月に上演されるミュージカル『グランドホテル』の公開稽古が3月8日、都内にて行われた。GREENとREDの2チームに分け、結末も2パターン用意されるという注目の作品。主演は中川晃教(GREEN)と成河(RED)で、演出は英国出身の鬼才、トム・サザーランド。3月3日には、同氏がイギリスで上演した『グランドホテル』が、英国演劇界で栄誉ある賞「2016年オフ・ウエストエンド・シアター・アワード」の最優秀ミュージカル作品賞と最優秀振付賞を受賞したばかりで、日本での上演にも期待が高まっている。
物語は、1920年代のベルリンにある華やかなグランドホテルを舞台に、様々な人々が出会い、別れ、もしくはすれ違っていく群像劇。披露されたのはオープニングの『グランド・パレード』のシーン。セットが回転扉のようにくるくると回り、その中でそれぞれの登場人物の抱える事情が、会話から、行動から、少しずつ垣間見えてくる。複雑でありながら美しい音楽は、時にソロで、また時にデュエット、もしくは三重奏・四重奏で歌われ、音楽自体がさながらホテルのロビーの喧騒のような幻惑感。また音楽もさることながら、机やイスを効果的に使い、様々なシーンを作り上げていく振付も見事。あちらこちらでドラマが生まれていき、一回ではすべて追いきれない。俳優たちは大変そうだが、これがはまると、シンフォニーのように美しい世界が生まれるのだろうことは容易に想像でき、本番の舞台が楽しみになる。
稽古後には、トム、中川、成河の3人の会見も。中川と成河は、お互いのチームの感想を「めちゃくちゃいいな、と思いました。ツイッターで「すごく成河さんチーム、いい!」ってツイートしちゃったくらい。色々なお客さまが一発で(作品に)引き込まれると思う。自分とは違うREDチームの個性があって、ジェラっと(嫉妬)した」(中川)、「まだ稽古序盤なので、チームの個性はこれから見つけていくところですが、(自分と同じ役をやる)アッキーに関して言うと、歌声が小学生と大学生くらいの違いがある(苦笑)。学べるところは学んで盗んで、その先に自分の個性が出てくれば」(成河)と話した。
また、中川が「僕たちも今朝初めて聞いた。まさかそんな結末の違いが!」と言う、注目の“ふたつの結末”の大枠もこの日明らかに。曰く、GREENチームが悲劇的、REDチームが楽観的、とのこと。「ひとつはそれぞれのキャラクターが目指しているゴールに辿りつき、幸せを手に入れる。もうひとつは歴史が物語っている、ベルリンの1920年代終盤から30年代にかけて起こることを示唆します。人々の中にある夢や希望が剥奪される」とトム。さらに「結末だけでなく、今回ダブルキャストの役どころがたくさんあり演じ手それぞれがその人なりの解釈で人物像を作る。どちらの方がよりドラマチックだというものではない。両チームの個性にあわせ、最大限のドラマ性を作ります。でも、どちらをご覧頂いても、今までの『グランドホテル』の予想をはるかに超えていると思う」と自信をみせていた。
4月9日(土)から、東京・赤坂ACTシアターにて。
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