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唐々煙原作の人気コミック(マッグガーデン刊)を忠実に舞台化、昨年スマッシュヒットを記録した『曇天に笑う』。災いをもたらすといわれる伝説の大蛇を巡って、華麗なアクションと兄弟愛や人間愛をも盛り込んで描かれる〈明治婆娑羅大活劇〉だ。メインキャストの曇家三兄弟に扮する玉城裕規と植田圭輔、そして百瀬朔に、本作への想いを聞いた。
明治11年。琵琶湖に設けられた重犯罪者専用の“獄門処”は、脱出不可能な監獄として知られていた。明治維新以来、政府に不満を抱く者たちが続出し、“獄門処”への橋渡しを請け負う曇家の天火(玉城)、空丸(植田)、宙太郎(百瀬)も忙しい毎日。そんな折り、人々に災厄を及ぼすという「大蛇の器」を追って、天火が以前に所属していた右大臣直属部隊〈犲(やまいぬ)〉が動き出す……。天真爛漫ながら圧倒的な強さで弟たちを率いる長男の天火、真面目な努力家ゆえに、自由奔放な兄と弟に振り回される次男の空丸、そして素直な性格を持ち、天火を慕って行動する三男の宙太郎。そんな個性豊かな三兄弟のキャラクターにも注目だ。
本作の魅力を「ただのエンターテインメントでは終わらないところ」と言うのは、長男の天火を演じる玉城だ。「アクションシーンもありますけど、物語ではそれぞれの登場人物の心の動きが丁寧に描かれているから、どのシーンも演じていてやりがいがありますね」と再演を喜ぶ。一方、今回が初参加となる次男・空丸役の植田は「出演が決まって原作を読んだんですけど、メチャクチャ面白くて何度も読み返しました。だからこそ舞台版『曇天〜』の魅力は、これから稽古を重ねるなかでじっくりと見つけていきたいです」と意気込む。また三男の宙太郎役の百瀬も、「一つひとつのセリフが深いんですよね。自分のセリフでも話しているときに改めて、“いい言葉だなぁ”って感じることが多くて。そこはちゃんとお客様に伝えていきたい」と、演者ならではの視点で話してくれた。
インタビュー中、キャラクターと同じく和気あいあいとした仲良しぶりを見せてくれた3人。「公演中は植田くんに助けてもらおうと思って」と甘え口調の玉城に、植田が「支えます!」と答えたり、「(宙太郎の)可愛いところを見てほしい」と言う百瀬に、またしても植田が「ホント可愛いからねー」と目元を緩ませたりと、三兄弟そのままの様子に取材班から笑いが漏れるひと幕も。そんな笑いの部分と、「人間のドロドロとしたドラマもあり」(植田)というダークな部分とが絡んで、どんな舞台が立ち上がるのか。「再演だからといって、初演と同じようにはしたくない」とキッパリと語った玉城の言葉を頼りに、その開幕を楽しみに待ちたい。
5月27日(金)から6月5日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、6月10日(金)・11日(土)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。なお、今回のインタビューを記念して、4月13日(水)午前10時から27日(水)午後11時59分の間、舞台の原作本である『曇天に笑う』(マッグガーデン刊)一巻が付いてくるお得なチケットを販売実施〈東京公演限定〉。
取材・文 佐藤さくら
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