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黒柳徹子のライフワークといえば、『徹子の部屋』(テレビ朝日)を思い浮かべる人も多いだろう。しかし彼女にはもうひとつ、半生をかけて取り組んでいる仕事がある。それが舞台「海外コメディ・シリーズ」だ。1989年にスタートし、およそ年に1度のペースで公演が重ねられてきたこのシリーズは、この10月でなんと第30弾となる。記念すべき30回めに選ばれた演目は、第1回に上演された『レティスとラベッジ』。
1989年の初演、2000年の再演に続いて、16年ぶりの再々演となる今回、黒柳の相手役を務めるのは麻実れい。「麻実さんはぱっと見で私とぜんぜん違うでしょう? 役の上では私のレティスという役がいい加減で、麻実さんが演じるロッテが冷静。その違いがぱっと見でわかるから、きっといいコンビになれるんじゃないかしら」
型破りな案内をする観光ガイド・レティスと、彼女にクビを宣告するカタブツのロッテ。ふたりの女性の会話によって物語は進んでゆく。「レティスって、脚本家のピーター・シェーファーさんがわたしを見て書いたんじゃないかしらっていうくらい実際のわたしに似た役なの。だからすごく面白く観ていただけるんじゃないかなと思います」
黒柳が長年大切にしてきたこのシリーズは、昭和を代表する劇作家、飯沢匡の発案だったという。「飯沢先生がね、『黒柳くんはちょっとふつうの日本の家にはいない感じがするので、君は洋ものをやりなさい』って。私が演じてみると、どうもみなさん、外国の作品を観るときの身構えた気持ちがいらないみたいなのね。それに『黒柳徹子が演じてる』ってことも、だんだん忘れてしまうんですって。みなさん、きっと想像と違うものが観られると思いますから、テレビの黒柳徹子しか知らない方にもぜひ観に来ていただきたいですね」
その飯沢の死後、1996年からほぼすべての作品で演出を務めた高橋昌也も、2年前に他界。しかし演出家の欄には今回も高橋の名前が残されている。「昌也さんったら、何回もしつっこく同じことを言うんですよ。どんなことを言ったかは私、ぜーんぶ台本に書いてあるの。今回もそのとおりにやりますから、名前もそのまま。だって、完璧なものを直す必要はないでしょ? もっとじょうずにやるようにという努力はしますけれど、演出を変えるつもりはないんです」
演出家の言葉がびっしりと書き込まれた20数作品の台本は、彼女のおおきな財産だ。「わたし、100歳まで舞台を続けられるだけの宝物を持っているのね。だからちゃんと舞台を続けられるように、いまだに毎日寝る前にスクワット50回をやってるのよ」そういたずらっぽく笑う黒柳徹子。彼女なら本当に100歳まで舞台に立つ姿を私たちに見せてくれるのかもしれない。
公演は10月1日(土)から東京・EX THEATER ROPPONGI、10月20日(木)から大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行抽選を7月21日(木)午前11時まで受付中。
取材・文/釣木文恵
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