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先週末から公開になったディズニー/ピクサーの新作映画『ファインディング・ドリー』は名作『ファインディング・ニモ』に登場したキャラクターが再登場するが、ピクサーのフィルムメイカーたちは観客が愛し、親しんできたキャラクターを、観客のイメージや親しみを損なわずに、最新のテクノロジーで描こうとしたようだ。
ピクサーは続編を製作するたびに“前作では技術的に不可能だったが、ファンが違和感を感じない程度に進化した描写”を探っている。本作でキャラクター・アート・デザインを手がけたジェイソン・ディーマーは、本作を製作するにあたって「ドリー、マーリン、ニモのデザインや動きを変えることはしなかった」という。「ゴールは、彼らを1作目とまったく同じものにすることだった。彼らをほんの少しでも変えた途端、みんなすぐにそれがドリーじゃないってわかるんだよ」
しかし、スタントン監督は「でも目の前に、以前より20倍のことができるコンピューターがあれば、20倍のことをしたくなる」という。そこで彼らは、前作の製作時では絶対に実現不可能な新キャラクターを登場させることにした。7本(!)の足をもつタコのハンクだ。7本の足はすべて別々のタイミングで動き、全部で350個ある吸盤が何かに触れるたびに変化し、シーンによって大きさも薄さも変化する。
なぜピクサーのフィルムメイカーたちはここまで時間と労力をかけて、調査を重ね、リアルな表現を目指すのだろうか?この疑問に明快な答えを出してくれたのは、キャラクター・アニメーターを務めた原島朋幸だ。彼は「キャラクターが演技をしているだけのアニメーションはいっぱいあるんですけど、ニモやドリーが魚であることを、観客が改めて認識しなくても“無意識”でわかってくれて、疑いの余地がないようにしたい。そこにすごくこだわりがあるんです」と語る。
ピクサー作品は物語が始まった瞬間に、作品の世界に入り込み、キャラクターの感情の変化や成長を存分に楽しむことができるが、それを支えているのは、徹底的に作りこまれたアニメーションと細部の表現だ。フィルムメイカーたちが細部を精緻に描きこむことで、観客は“無意識”に作品の世界観を受け入れ、キャラクターとストーリーに集中することができる。
『…ドリー』でも多くの観客が、物語が始まった瞬間に、長年に渡って親しんだ『…ニモ』の世界に帰ってきたと思うだろう。その感情は進化した技術と、フィルムメイカーの妥協を許さない精緻な描写によって支えられているのだ。
『ファインディング・ドリー』
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