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ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』が9月2日に東京・かめありリリオホールでプレビュー公演の幕を開ける。天才画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと、彼を支え続けた弟テオの半生を描いた、韓国発のふたりミュージカルだ。1日には最終舞台稽古が報道陣に公開され、ヴィンセント役の橋本さとし、テオ役の岸祐二が熱演を見せた。
『ひまわり』『星月夜』など2000点以上の絵画を残し、37歳でこの世を去ったヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。彼独特の荒々しい筆致で描かれた絵画の世界の中に入り込んでいくようなオープニングから、印象的だ。本作の特徴は、白いシンプルな舞台に描き出されるプロジェクション・マッピングの使い方。情景が、小道具が、ヴィンセントが描く絵画が、ユニークかつリアルに舞台上に立ち上がる。この映像は「第三のキャスト」とも位置づけられているようで、俳優の動きともシンクロし、物語は展開していく。今の時代ならではの、新しい形の舞台芸術だ。
もちろん見どころはハード面だけではない。橋本は自分を追い込んでいってしまう天才画家の苦悩や歓喜を、純粋な魂を持つ人間だからこその発露として描き出す。繊細さと激しさを同居させた熱演は、冒頭から終幕まで物語を引っ張った。兄を支え続ける弟テオの岸は、優しさと深い愛情がいい。岸は兄弟の父親役や画家・ゴーギャンなどにも扮するが、それらのシーンでの岸の俳優としての巧さも印象に残る。何よりもふたりの迫力の歌唱は、韓国産らしいパワフルでドラマチックな楽曲に合っていて、聴きごたえがあった。
初日に向けて、橋本は「気がつけばひまわりの季節が過ぎましたが、永遠に咲くゴッホのひまわりと共に2世紀の時を越えて、ヴィンセントの思いや生き様をお届けしたいと思います」、岸は「俳優として目標としてきた、さとしさんとのふたりミュージカル!愛すべき先輩と今回組めるのは、喜びと緊張の極みです。テオは兄ヴィンセントを支え、精一杯生きた人。その時代の空気や人間の純粋さを大事にし、観客の皆様へ伝えます」とコメントを発表した。斬新な舞台美術と、ふたりの俳優の生々しい熱演の融合、ぜひ自身の目で見届けてほしい。
プレビュー公演後、9月7日(水)から24日(土)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。チケットは発売中。なお出演者はトリプルキャスト、橋本・岸のほか、ヴィンセント役に泉見洋平と野島直人、テオ役に上山竜治と入野自由。
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