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ヨーロッパ企画第35回公演『来てけつかるべき新世界』の横浜公演が、まもなく幕を開ける。すでに京都公演を皮切りに全国を回り始めたこの作品。大阪の新世界に生きるおっさんたちとドローンを始めとするテクノロジー、という対極にある組み合わせが、何とも言えないおかしみを生み出している。ここ数年、“迷路コメディ”“文房具コメディ”など、企画性コメディを追求してきたヨーロッパ企画だからこそ表現できるとも言える物語。作・演出の上田誠と、劇団俳優の石田剛太、本多力が、その面白さの裏側を語ってくれた。
ヨーロッパ企画第35回公演『来てけつかるべき新世界』チケット情報
物語の舞台は串カツ屋などが並ぶ新世界の外れ。ラーメン屋もドローンで出前するようになった時代からスタートして、本物のドローンが舞台上を飛び、さらには、ロボットが登場したり、人工知能と将棋や漫才をしたり、バーチャルリアリティの世界に没入したりと、全5話の“おっさんとテクノロジー”の話が展開する。上田曰く「テクノロジーの今後の進化に欠かせない5つを取り上げてみた」とかで、次々に現れる未来の“新世界”に思わずワクワクしてしまう。しかも、それとやりとりするのは大阪のおっさんたち。京都の劇団ながら関西弁を使う芝居を作るのは初めてとあって、石田は「関西弁のリズム感とかテンポが面白いと言ってもらえた」そうだ。本多も、「新喜劇みたいだって言ってくれる人もいて、今回は本当にみんなで群像劇をやってる感じがする」と楽しそうに話す。
確かに、テクノロジーにどう反応し、どう生活していくのかを見せるのがこの芝居の肝。劇団員たちはもちろんのこと、福田転球、金丸慎太郎、福田理子といった客演陣も含め、個性もワチャワチャ感も出るそれぞれのリアクションが笑いを誘う。そんな観客の反応から、「これまで企画性の部分をストイックにやってきたんですけど、今回からはその骨の部分にいよいよ物語という肉をつけていくというか。新しいステップにいけている気がするんです」と上田は自負。石田が「再来年の20周年に向けてここからどんどん盛り上がりたい」と言えば、「劇団を続けていけばいくほどできることが増えていくので楽しみ」と本多も言う。実はロボットのデザインは角田貴志、メカ部分は酒井善史と、劇団員が担当。劇団の総合力を見せつける作品にもなっている。劇団だから作れる芝居が、そして、ヨーロッパ企画だから見せられる世界がそこにある。「大阪観光をした気分にもなれる」(上田)のみならず、未来観光も楽しめる。
横浜公演は10月27日(木)から30日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて。チケット発売中。
取材・文:大内弓子
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