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黒柳徹子のライフワークである海外コメディ・シリーズの第30弾記念公演『レティスとラベッジ』が10月1日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて開幕した。
1989年、「海外コメディ・シリーズ」の記念すべき第1弾公演がこの『レティスとラベッジ』だった。2000年の再演を経て、今回は16年ぶり3度目の上演となる。ロンドンの歴史的建造物をガイドするレティスは、ある日その退屈な内容に飽き飽きして好き勝手に尾ひれをつけた説明をはじめてしまう。その噂を聞きつけた歴史保存委員会の職員、ロッテが現場に現れ、レティスをクビにする。しかしそれを言い渡したときの彼女の振る舞いに惹かれたロッテは後日レティスのアパートを尋ねる……。
イギリスの劇作家、ピーター・シェファーの手によるこの作品について、黒柳は「レティスは、ピーター・シェファーさんがどこからか私を覗いて書いたんじゃないかと思う」と話すほど、自身に近いと語ってきた。確かに、舞台の上に現れたレティスはおしゃべりとお芝居が大好きで表情豊か、とびきりキュートな女性で、黒柳のイメージと重なる。そして今回黒柳と初共演となる麻実れいが、厳格な仮面の奥に自由を求める素顔を隠すロッテを伸びやかに演じている。
開幕前日に行われたゲネプロでは、ふたりの友情を象徴する飲み物、クワッフで乾杯するシーンでレティスの髪にゴブレットの中身がかかってしまうハプニングが。にもかかわらず、ふたりとも落ち着いて芝居を続けるどころか、すかさずアドリブのやり取りを加えて笑いを増幅させる余裕さえ見せた。
ゲネプロ後の会見では、ふたりの交わす膨大なセリフ量が話題に。「数えたことはないけれど、セリフがずいぶんたくさんあるんですよ」と語る黒柳に、すかさず「数えないほうがいいですよ」と応じる麻実。「軽くて楽しい喜劇かと思ったらこんなにセリフがあるの!? と思いましたが、やりとりが面白く楽しいんです。何より、徹子さんの30回目のステージに参加できるのがうれしい」と笑顔を見せた。
「この作品を見て、こういう知的な喜劇もあるんだ、こんな人もいるんだ、と思っていただければ。独身で、仕事をしながら楽しみを求めて暮らすっていいじゃない?」という黒柳と、それに深くうなずきながら「喜劇は毎回の積み重ねで豊かになっていくと思う。それをぜひ見に来てください」と語る麻実。ふたりの絶妙な掛け合いを、そして女優・黒柳徹子の真骨頂ともいえるこの役を、一度は目撃しておくべきだろう。
東京公演は10月16日(日)まで。その後、10月20日(木)から23日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。
取材・文/釣木文恵
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