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宅間孝行が主宰するエンターテインメントプロジェクト「タクフェス」の第4弾となる舞台「歌姫」の東京公演が、10月5日、サンシャイン劇場にて幕を開けた。
本作は、2004年に東京セレソンデラックスで初演された宅間の脚本・演出・主演作で、2007年には長瀬智也(TOKIO)主演でドラマ化。昭和30年代の高知・土佐清水の港町にひっそりとたたずむ映画館「オリオン座」を舞台に、人情味あふれる人たちの交流とともに描かれる純愛ストーリーだ。
9年ぶりとなった今回の上演も、主役の四万十太郎を宅間が演じた。ぶっきらぼうだが男気のある役柄は宅間にぴったりで、彼の登場からすぐに好感を持って物語に引き込まれる。ヒロインの岸田鈴には、舞台出演がこれが初めてという入山杏奈(AKB48)。二十歳の入山が、女の子と大人の女性のはざまにいる明るくはつらつとした鈴を好演。宅間と息ぴったりに土佐弁でやりとりする場面は実に微笑ましく、心がじんわりと温かくなった。
ふたりを取り巻くキャストには豪華な役者が揃った。鈴の両親・勝男(斉木しげる)と浜子(かとうかず子)、姉の泉(原史奈)、オリオン座を訪れる及川美和子(酒井美紀)と相楽金蔵(藤木孝)ら。さらに、大学生の神宮司くん(黒羽麻璃央)、泉の夫・小日向晋吉(越村友一)、町の不良・クロワッサンの松(阿部力)、漁師のゲルマン(北代高士)ら個性豊かなキャラクターたちのドタバタ劇は、会場を爆笑の渦にした。中でも、民宿を営む鯖子(安田カナ)の存在感は圧巻で、彼女がいるだけで何かを期待してしまうほどだ。
そんな和やかな日常に運命の波が襲いかかり、後半に向かって物語は転がっていく。太郎と鈴は、相手を思うがゆえの決断をする。気持ちを押し殺し気丈に振る舞おうとする鈴、神宮寺に真実を明かす太郎、太郎が書いた台本を読む神宮寺、場内には感動が広がり、涙なくして観ることができない。
観客を巻き込んだ演出もあり、また、上演後にはテーマ曲「Let’s go go!! My life!!」でキャストと一緒に踊れるコーナーもあり、まさにフェスの名にふさわしい盛り上がりとなった。笑って、泣いて、踊って、心から気分爽快になれる公演だ。
東京公演はサンシャイン劇場にて10月16日(日)まで。その後、福岡、仙台、新潟で上演する。チケット発売中。
取材・文:門 宏
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