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傑作推理劇『スルース〜探偵〜』が11〜12月に上演される。最後の最後まで何が真実かわからない、男と男の化かしあいが描かれる本作。西岡徳馬VS新納慎也の<探偵バージョン>、西岡徳馬VS音尾琢真(TEAM NACS)の<スルースバージョン>というWキャストで、深作健太が演出を務める。
西岡徳馬と音尾琢真が作品の魅力を語った。
1970年に初演され、72年にはローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインで映画化。2007年の再映画化ではケインがオリヴィエの役を演じ、ジュード・ロウと共演した。日本では劇団四季が73年に初演し、今も再演を繰り返している。音尾は「映画を2作とも観て、いつかやりたいと思っていました。時間がない中でのオファーでしたが、この作品ならどうにかしてやりたくて」と出演を喜ぶ。西岡も「文学座に入って1、2年目の頃にオンタイムで映画を観て、衝撃的で憧れた。僕もいつかやりたいって言って、以前、話を持っていったこともあるんですけど、そのときは版権の問題でできなかった。もうだめかと思っていたところでこの話をいただいて。これはもう…本当に僕の代表作にしたい。その意気込みで向かわせてもらいます。演劇史に残すつもりで、過去にないくらいの興奮と意気込みを持ってぶち当たろうとしています」と熱く語る。
物語は、ミステリー作家のアンドリュー(西岡)が、妻の愛人であるマイロ(音尾/新納)を呼び出すところから始まる。マイロにとある提案をするアンドリュー。マイロはその筋書きどおりに珍妙な手順で宝石を盗むが――。音尾は「ホンに向き合うこと、そして目の前の西岡さんと向き合うことに終始して新しいものを作っていきたい。西岡さんは、僕の一言が変わればそこに返してくれる、そんな素晴らしい俳優さん。その胸に飛び込んでいきます」。対して西岡は「芝居はキャッチボールだから、相手役で全然違う形になるのは当然。どれだけふたりで練れるかが勝負になってくる。ふたりの評判のよさは知ってるから、どういう風にやってくるかなってワクワクしていけばいいんですよ」と懐の深さを見せる。
「『探偵役?』って言われるんですけど、探偵は出てこないんですよね」と音尾が話すと、西岡から名言が生まれた。「スルース(=探偵)はお客様です!」。年末の劇場で、男たちの真実と嘘を見破る“スルース”として過ごしてみるのはいかが?
公演は、新納が出演する<探偵バージョン>が11月25日(金)から12月11日(日)まで、音尾が出演する<スルースバージョン>が12月17日(土)から28日(水)まで、東京・新国立劇場 小劇場にて。なお、チケットぴあでは東京公演のインターネット先着先行「座席選択プリセール」を受付中。
取材・文:中川實穗
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