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劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)の、第54回本公演『土九六(どくろ)村へようこそ』が、10月21日に開幕した。
前日の囲み取材で座長の三宅裕司が「今回はSET初期の頃のような、社会的なテーマを笑いと音楽、アクションで楽しく観られるようにしたというような作品です。昔はそういう作品ばかりやっていました」と、本作について解説した。
物語は、東京から数百キロ離れた土九六村が舞台。村立30周年のお祭りの真っ最中だが、村長・吉蔵(三宅)のひとり娘であるお龍(西郷みゆき)たちの世代は、村の神様「ドクロ様」の存在に違和感を覚え、親世代とぶつかっている。秘密を抱え、歯切れの悪い反論しかできない親世代。そんな村に、移動型ミュージカル劇団「放浪座」がやってくる。その団長兼演出家のヒロ(小倉久寛)やメインボーカルで息子のアツシ(大竹浩一)は、とある目的で訪れていた――。
ミュージカル劇団による歌とダンスや、村人たちのコミカルなやり取りなど、劇中にはハイクオリティーなダンス、歌、アクション、笑いがたっぷりで、ストーリーもわかりやすい。特に三宅と小倉の軽妙なやり取りに観客は爆笑。ふたりのシーンになると客席の温度も上がるようだった。今作はゲストを招かず、劇団員のみで作り上げた。それについて三宅は「僕が65歳で小倉ももうすぐ62歳。SETを残していくためには若手に頑張ってもらわないと困るし、三宅・小倉なしでも人気劇団として成長していきたい。若手にとにかくたくさんギャグを背負わせて、役を与えて、生のお客さんの中での笑い作りを経験させたいと思いました」と、大竹や西郷をはじめ若手の活躍シーンも多い。共に芝居をする小倉は、「周りで若い劇団員が上手に踊ってくれますので、なんか『踊れてるのかな』って勘違いしちゃうんですよね」と、今作でのダンスシーンについて言及。役名からも連想できるあのグループ風のダンスは小倉の見せ場のひとつとなっている。
三宅「“ミュージカル・アクション・コメディー”で誰が観ても楽しいお芝居です。今回はテーマをグンと前に押し出してますけれども、初めてお芝居を観る方でも楽しく観られる優しいお芝居になっています。前知識なしでフラッと観に来ていただいて楽しめると思います。お待ちしております!」小倉「僕も踊りますので、ドキドキしたい方はぜひお越しくださいませ」
公演は、11月6日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、11月11日(金)・12日(土)に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて上演。
取材・文:中川實穗
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