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“SF映画の原点にして頂点”と評される同名の傑作映画が原作の舞台『メトロポリス』が、11月7日(月)に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて開幕した。演出・美術は串田和美。松たか子、森山未來、飴屋法水らが出演する。
ゴシック調の摩天楼がそびえ立つ未来都市メトロポリス。高度な文明によって平和と繁栄を得た都市の実態は、摩天楼の上層に住む指導者階級の生活を、地下の労働者階級が過酷な労働によって支える徹底的な階級社会であった。ある日、地下に降りた指導者階級のフレーダー(森山)は労働者階級の娘・マリア(松)と出会う。ふたりは惹かれあい、マリアはフレーダーが支配者階級と労働者階級の調停者になる存在であることを見抜く。労働者達にストライキの気運が生じると、フレーダーの父であり支配的権力者のフレーデルセンは危機感を抱き、マリアに似せたアンドロイドを地下社会へ送りこみ、労働者たちの団結を崩そうとする…。
初日を迎えるにあたって串田は「この芝居に限らず、表現の幅を広げたいという思いが僕の根底に絶えずあります。演劇って、人によって見方が様々だから『こんなの演劇じゃない』と言う人もいるかもしれません。でも、今回の表現そのものを素直に見てもらいたいと思っています。カットアウトで時空がズレる感覚とか、ひとりの人物を何人かで演じることで人間の多様性を表現できないかとか、できるだけ幅広く表現の方法を探りたい。それはただの手段かもしれないけど、手段そのものにも意外と力がある」と本作の表現へのこだわりをコメント。
松は自身の役について「マリアは謎に包まれた存在。メトロポリスの人々の拠り所になれば」と語り、さらに「森山くんはアイディアを構築し、かつ自らやってみせることができます。先輩達も頼もしく、自分にないものを持つ方々と過ごす時間は、とても充実しています。串田さんが稽古始めに『勇気を持ってこのホンに取り組む』とおっしゃったんです。私も勇気を持ってこの世界に飛び込み、とことん生きて、漂っていたいと思います」と意気込み。
森山は「フレーダーという役にこだわらず、たとえば松さんとやるときは、松さんと僕の関係性で何ができるかを探したい。僕自身、単純にここにある事象を楽しみたいし、楽しむ自分が観客に伝わったほうがいいような気がする。フィクションということを意識しすぎないほうがいいんじゃないかと思っています」とコメントした。個性豊かなキャストとスタッフによって舞台上に現れる未来都市。その表現に注目したい。
公演は11月30日(水)まで東京・シアターコクーンにて。チケットは発売中。
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