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出自もタイプも違うものの、俳優として同じ方向を向く魅力的なふたりの初共演が、遂に実現する。しかもそれぞれが強い想いを持つNODA・MAPで。野田秀樹が公私共に深い親交を結んだ親友・十八代目中村勘三郎丈へのオマージュとして歌舞伎を題材にする新作『足跡姫〜時代錯誤(ときあやまって)冬(ふゆの)幽霊(ゆうれい)〜』で、待望のタッグを組む妻夫木聡と古田新太に話を聞いた。
NODA・MAP第21回公演『足跡姫』〜時代錯誤冬幽霊〜 チケット情報
妻夫木「野田さんが書く物語を全部理解することは僕には不可能なんですけど、圧倒的な説得力があるじゃないですか。舞台でしかできないことを次々と見せてくれて、気が付くと大きな渦に巻き込まれている。古田さんが出演されていた『ザ・キャラクター』(2010年)なんて、ほんと興奮して、お茶くみでもいいから参加したかったって思いましたもん(笑)」
古田「夢の遊眠社時代と比べると、最近の野田さんの作品はテーマがわかりやすくなっていると思う。それでも一筋縄では行かないけどね。オイラは問題提起がはっきりし過ぎた作品は、やっても観ても“恥ずっ!”となるから(笑)、笑いで混ぜ返して、ちょっとわかりにくくしたいんだよね。ブッキーやミリエ(宮沢りえ)みたいに直接テーマを背負う人は、そこを邁進しなきゃいけないだろうけど」
妻夫木「いや、僕も背負い過ぎないようにしているかもしれません。特に前回の『エッグ』は、背景に第二次大戦や731部隊があったので、そこを意識すると知らず知らずのうちにテーマを匂わせてしまう。でも古田さんがおっしゃったように、そういうのはないほうがいいんですよね。だってそれは、ストーリーを全部知っている役者の気持ちであって、その日に初めて観るお客さんにはまったく関係ない。初演、再演(2012年、2015年)とやらせていただいて、再演の時はいい意味で何も考えずに臨めました」
古田「そうだね。せっかく野田さんのレトリックで、すぐにはわからない内容になっていても、役者のテンションとかで背景が見えてしまうのは楽しくない。複雑な話を複雑なまま見せるためには、俳優は刹那刹那を、お客さんに喜んでもらう方向に行ったほうがいいと思うんだ」
話題に上った宮沢りえ、歌舞伎界から中村扇雀ら、華やかさと実力、緊張感と遊び心を兼ね備えた他の出演者も楽しみだ。
古田「ブッキーとミリエに突っ走っていただければ、あとはどうとでもなるのが今回のメンバーなんで。……あ、ひとり、野田秀樹さんという役者がなー。あの人、後先考えずに無茶するところがあるから、そこは注意しつつ、頑張ってもらいましょう(笑)」
とんでもなく長い時間と大きな空間を生身の俳優が立ち上げるこの作品に、ひとりでも多くの人が手を伸ばしてほしい。公演は1月18日(水)から3月12日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケットの一般発売は12月10日(土)午前10時より。
取材・文:徳永京子
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