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観ると再び観たくなる問題作『Take me out』開幕
2016年12月12日 15時45分 [演劇]
舞台『Take me out』より 撮影:岡千里
舞台『Take me out』より 撮影:岡千里

藤田俊太郎の演出、小川絵梨子の翻訳で上演するトニー賞作品『Take me out』が、12月9日(金)に開幕。その前日に公開舞台稽古が行われた。

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2002年にロンドンで初演され、2003年度のトニー賞では演劇作品賞、演劇助演男優賞も受賞した作品の日本初演。演出をニナガワ・スタジオ出身の藤田、翻訳を新国立劇場の次期芸術監督・小川が手掛ける。白人の父親、黒人の母親を持つメジャーリーグのスター選手・ダレン(章平)が、自分はゲイだと告白したことを発端に起こるさまざまな混乱を描く本作。選手役を栗原類、多和田秀弥、味方良介、小柳心、渋谷謙人、Spi、章平、吉田健悟、竪山隼太、ダレンのビジネスマネージャー役を良知真次、監督役を田中茂弘が演じる。

本作の特徴のひとつは舞台の構造。対面構造に加え、最下段の客席と舞台は地続きとなっており、まるでそこにあるロッカールームやシャワールームを、観客が取り囲んで観ているような造りなのだ。さらに舞台と客席の距離も近く、キャッチボールやバッティング練習のシーンは、ボールが向かってくるので思わず目を閉じてしまうほど。どこに座るかで観える人の表情、景色が変わり、何度も観たくなる構造だ。また、キャスト陣があまり捌けずに芝居が進んでいくのも特徴のひとつ。舞台上で着替えたりシャワーを浴びたり、ときには客席付近にキャストが座っていたり。真ん中で起きている出来事の間にも、それぞれの時間が流れていることを感じさせられる。

そんな濃密な空間の中で、メジャーリーグのロッカールーム、シャワールーム、グラウンドを舞台に、人種、信仰、格差、同性愛、差別などを生々しく描く本作。日本では人種や信仰の問題に直面する機会も少ないが、それでもどこか彼らが発する感情に思い当たる節があり、自らの“正義”や“信念”がグラグラと揺さぶられるような感覚に襲われる。それぞれが持つ偏見、理解、正義、善意、悪意…どれも単純なものではない。さまざまな要因が何重にも重なった結果であることが物語の中でわかるため、感想も大きく分かれるだろう。

観劇後は、誰かと感想を語り合いたくなったり、次は逆サイドの席で観劇したくなったりするような作品。ぜひ劇場に足を運んで体感してほしい。公演は12月21日(水)まで東京・DDD AOYAMA CROSS THEATER、12月23(金・祝)、24日(土)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて。

取材・文:中川實穗

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