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KAAT神奈川芸術劇場の2017年度作品群が発表された。このうち、大スタジオでの第一弾となる『春のめざめ』は14歳の少年少女達が性に目覚め葛藤するさまを赤裸々に描いた衝撃作だ。製作発表会には、演出の白井晃および、出演者の志尊淳、大野いと、栗原類が登壇した。
白井は「近代戯曲を積極的に取り上げようということで、これまで『マハゴニー市の興亡』などをホールで上演しましたが、今年は大スタジオで『春のめざめ』を上演します。ミュージカルとしてヒットしましたが、もともとストレートプレイとして書かれた作品。登場する少年少女が社会と対峙し生きて行く姿が、現代の若者達に呼応するのではないかと考え、登場人物に近い若い世代の出演者達と一緒にこの戯曲を読み解くことにしました。音楽的要素や肉体的な表現を取り入れて形にします」と説明。
その白井が「志尊さんの演技を拝見し、一度やってみたいと思った。柔らかい青年のようでいて負けず嫌いなのが面白い」と期待を寄せる志尊が演じるのは、優等生メルヒオール役。「白井さんの演出の下で、初ストレート舞台、初主演舞台になります。決まった時はプレッシャーや不安が大きかったのですが、戯曲を読む中で、誰もが通る道が描かれていて、かつ、人や環境によって感じることも違うこの作品を、同年代の方にも上の方にもぜひ観て感じてほしい、色々と届けたいという思いで務めさせていただきます。久々の舞台となりますが、プライドを捨て、白井さんの胸に飛び込む気持ちで、精一杯やらせていただきます」と表情を引き締めた。
メルヒオールの同級生ヴェントラ役の大野は「120年以上前に書かれた話なのに性についてこのように取り扱った作品があることに驚きと魅力を感じ、誇りを持って挑みたいと考えています。ヴェントラは14歳で私は21歳なので、その差を不安にも感じるし頑張って埋めたいとも思うし、もう一度14歳を生きたいという気持ちもあります」、オーディションで劣等生モーリッツ役を勝ち取った栗原は「2014年に朗読劇『春のめざめ』をやらせてもらったのですが、今回初めてストレートプレイとして出演します。白井さんの前でのオーディションでは、果たして自分の解釈は合っているのかな?と不安でしたが、通って嬉しいです。モーリッツは観に来るお客さんに一番近い普通の男の子。僕の全てを捧げて演じたい」と意気込んだ。
ラインナップにはこのほか、『忘れる日本人』、『ピノキオ〜または白雪姫の悲劇』、『不思議の国のアリス』、Nibroll『作品2017(仮)』、『Without Signal!(信号がない!)(仮)』、『オーランドー』、『ワーグナープロジェクト(仮)』、『作者を探す六人の登場人物』、『三月の5日間 リ・クリエーション』、『HEADS UP!』、『三文オペラ』など、多彩で越境的な内容が並ぶ。http://www.kaat.jp/news_detail?id=975
取材・文:高橋彩子
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