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第一線で活躍する劇作家、演出家が北九州に滞在し、オーディションで選出された出演者で「北九州」をモチーフとした作品を創る。その作品をもって東京公演も行ない、地域から中央へ発信を行う。そんなプロデュース公演をかねてより行なってきていた北九州芸術劇場。9作目となる今年は、劇団はえぎわ主宰のノゾエ征爾が登場。2012年に岸田國士戯曲賞を受賞、昨年12月には蜷川幸雄企画・原案『1万人のゴールド・シアター2016』の脚本・演出を手がけるなど、枠にとらわれない創作活動で注目を集める彼が、北九州という地で新たな創造を始める。
「作品のタイトル(『しなやか見渡す穴は森は雨』)は、出演者の名前の頭文字をつなぎあわせたもの。この出演者だからこその作品にしたいという思いからですね。相当な数の言葉がでてきて時間はかかりましたが、納得いくタイトルになりました。もちろん作品の内容にも、このタイトルは絡んできます。『穴』は僕の作品によく登場するのですが、ハマるものだったり、落ちるものだったり、そして光が差し込む場所でもあったり。生きづらい世の中だけど、なんとなく光が差し込むような晴れやかさも感じる作品にしたいと思ってます」。当初は、東京を舞台とし、北九州出身者によるストーリーを考えていたというノゾエ。稽古中に、出演者全員と北九州の街を3時間ほど散歩して、やはり舞台は北九州にすべきと衝動的に思ったそうだ。「遠く離れたところに来て、普段会わない方々と会って。そこに沸き起こった衝動に従うべき。健全なことが起きたと捉えてます。一からやり直しで若干焦りつつも(笑)、それ以上にワクワクしてます」
113名の応募者の中から選ばれた出演者は16名。特に人数を決めていた訳ではなく、オーディションという短い時間の中で「ちょっと好きになった」役者をセレクト。このシリーズに多数参加している万能グローブガラパゴスダイナモスの椎木樹人は「このシリーズは本当に刺激的。個人的に大好きなノゾエさんとご一緒できる事も楽しみ」、劇団ショーマンシップの原岡梨絵子は「稽古の段階でも、いろいろな化学反応が起きています。このメンバーだからできる作品にしたい」と笑顔。他14名も、それぞれ熱く意気込みを語った。
抽象度の高い舞台美術と、ビターメルヘン、ビターファンタジーとも言えそうな作風が魅力のノゾエが、北九州という地で何を思い、何を表現するのか。和やかでありながらも緊張感漂う稽古場では、少しの時間でどんどん作品が変化していく様も見せてくれた。今まで見たことのない、感じたことのない「北九州」の魅力を舞台で体感できそうだ。
公演は2月26日(日)から3月5日(日)福岡・北九州芸術劇場 小劇場、3月10(金)から12日(日)まで東京・あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて。チケット発売中。
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