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上口耕平とAKANE LIVのふたり芝居で描かれるNew Musical『Color of Life』が3月2日(木)に開幕する。
本作は、2013年にオフ・オフ・ブロードウェイの国際演劇祭で最優秀ミュージカル作品賞、最優秀作詞・作曲賞、最優秀演出賞、最優秀主演女優賞の4部門を受賞した話題作。昨年3月の日本初上演は、今作と同じく、脚本・作詞・演出を石丸さち子、音楽を伊藤靖浩が手掛け、第24回読売演劇大賞上半期作品賞と演出家賞ベスト5にもノミネートされた。なお、伊藤は2013年のNY公演で作曲・音楽監督・主演を務めている。
昨年に続き、上口とAKANE LIVのペアで上演される本作。本番を1週間後に控えた稽古場に潜入した。
物語は、震災を機に画題を見失ってしまった画家・和也(上口)と、心から愛した同性の恋人と死に別れたばかりの女優・レイチェル(AKANE LIV)が飛行機で偶然隣りあわせになることから始まる。惹かれあい、NYの彼女の部屋で一緒に暮らし始めるふたり。幸せな日々の中、和也は「レイチェルは心に抱えたものがある」と気付きながらも踏み込めないまま時間は過ぎ、やがて観光ビザの決めた90日の猶予が近づく――。
稽古場は熱いエネルギーに満ちていた。真っ白な舞台に真っ白な衣装で立つ上口耕平とAKNE LIV……それは前作から変わらぬ光景だが、セットや映像、演出は変化し、ふたりの芝居はさらに深く磨かれ、これはもう“再演”ではないのだと感じさせる。特にレイチェルが感じる、和也と出会ったことへの喜び、戸惑い、その先にある拒絶や心細さなどは丁寧に丁寧に表現されており、前回からより深まった部分だと感じた。そしてそれを受け止める和也の寄り添うようなやさしさも上口の温かな歌声が印象的にみせる。
そもそも和也の画家という職業や、レイチェルが同性愛者であることなど、日本という国では特に少数派な存在であるふたり。しかしそういうふたりが抱えるものがこれほどまでに真っ直ぐ届き、すぐそばで彼らを見守っているような感覚になるのは、石丸、そして上口とAKANE LIVが作品と徹底的に向き合い、大切に作り上げてきたからこそだろう。繊細で美しい楽曲と、上口ののびやかな歌声とAKNE LIVの鮮やかな歌声、そして抜群のハーモニーは本作の大きな魅力。たったふたりのミュージカルで、真っ白な世界はどこまでも彩られる。
同じ作品、同じキャスト、同じスタッフだからこその新しさが感じられる本作。初演を観た人も、今回初めて観る人も、ぜひ楽しみにしてほしい。公演は3月2日(木)から5日(日)まで、東京・銀座の博品館劇場にて。
取材・文:中川實穗
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