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昨年、結成40周年を迎えた劇団東京乾電池が4月15日(土)、明治座に初登場。1日限りの「創立40周年プラス1公演」を行う。演目は、柄本明一人芝居『煙草の害について』(作:アントン・チェーホフ)と、劇団の代表作『夏の夜の夢』(作:W・シェイクスピア)の二本立て。演出も務める座長の柄本明に話を聞いた。
「魔が差したというのかなあ(笑)。そういった場所で我々がやるとどうなるんだろう?と思って、お引き受けしたんでしょうね。もちろん、明治座さんからお話をいただくことは光栄なことなんだけれども、なにせ普段は下北沢の小さな劇場で芝居をやってますから。うちの劇団にやらせてみようと思われた、明治座さんの発想に感服しますね」
老舗の大劇場で公演を打つことになったいきさつを、そんなふうに話す柄本。目下、あの広い舞台空間をどう使ったものか、「頭の中であれこれ錯綜中」だという。
しかしながら演目は、意外とすんなり決まったようだ。1本目の『煙草の害について』は、柄本が1993年に初めて上演して以来、各地で再演を重ねている人気作。妻の命令で“煙草の害について”の講演を行う恐妻家の初老の男を描いたチェーホフの一人芝居で、話がどんどん脱線していく短い原作に、柄本は他のチェーホフ作品の要素や時事ネタなども加えて構成。独特のペーソスを漂わせながら、ナンセンスかつユーモアたっぷりに繰り広げる。
「可哀想な男なんですよ、これが。でも、傍から違う角度で見ると、可笑しくて笑ってしまう。そういう人間のものの見方、哀しいのに笑ってしまうようなところは、実は人間のすごく豊かな部分じゃないかなと思いますね」
もう1本の『夏の夜の夢』は、ご存じ、シェイクスピアの喜劇。東京乾電池では創立25周年を機に初上演して以来、再演を重ね、いまや劇団の代表作となっている。
「僕は当時、劇団の芝居をやってなくて、若い劇団員はそれぞれユニットを組んで芝居をやってました。それで、25周年はとにかくみんなが出る芝居を作りたいなと思って選んだのが、何人でも妖精を出せる『夏夢』。衣装は、人と相談しないことと、金をかけないことを条件に、各自で用意させたんですよ。そしたら本当に人それぞれで、そこがうちの劇団らしくて、面白くて。だから今回も、衣装を新しく用意するようなことはしないつもりです。そんなことをしたら、うちが明治座さんに呼んでもらった意味がなくなるような気がしますしね」
自由劇場出身の柄本、ベンガル、綾田俊樹で、1976年に結成。個性豊かな人気俳優を多数輩出しつつ、昨年、創立40周年を迎えた劇団東京乾電池だが、今もその根底には“アマチュア精神”が流れている。
「何かをやるということは、何かが生まれてしまうということ。でも、何が生まれるかは、やってみないとわからない。だから面白いんでしょうね。今回も、どんなお芝居になるのか、見当がつきません(笑)。明治座でどんなものが生まれるのか? ご興味がありましたら、観にいらしてください」
取材・文:岡崎 香
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