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落ち目の劇作家・ブリュールが、将来有望な元教え子・アンダーソンの出現により、犯罪に手を染めていくミステリー『デストラップ』。ブロードウェイでのロングラン後、映画化もされた傑作に、片岡愛之助が挑む。
「やはり面白い、名作ですよね。僕が演じるブリュールはかつてトップを獲っていた男。その栄光の日々を知っているからこそ、目の前に現れたアンダーソンに対して嫉妬し、屈折した感情を抱いてしまう。僕自身はあまり人のことを妬んだり、羨ましいとは思ったことがありません。ですから今回この役をやらせていただくことにより、自分の中にどんな感情が沸き上がってくるのか、すごくワクワクしています」
翻訳、演出を手がけるのは、『勇者ヨシヒコ』シリーズなどに代表されるように、コメディを得意とする福田雄一。それだけにこの珠玉のサスペンスが福田の手によっていかに生まれ変わるかが、今回の舞台化の大きなポイントとなる。
「福田さんが翻訳・演出されるわけですからね。逆に笑いのないものが出来るのかな?とも思いますが……(笑)。独特なギャグセンスとおしゃれさ、それでいてベタな部分も欠かさないのが福田さん作品の魅力。素晴らしい才能の持ち主だと思いますし、そんな福田さんが手がけられる『デストラップ』がどういったものになるのか? 本当に想像がつかないですし、その想像のつかなさが今から楽しみでもあります」
今春上演されたブロードウェイ・ミュージカル『コメディ・トゥナイト! ローマで起こったおかしな出来事〈江戸版〉』から、笑いのある作品への出演が続く愛之助。
「コメディではやはり“間”がとても重要で、お客さまは一瞬でも間がズレたら決して笑ってはくださいません。その難しさを『コメディ〜』の時に痛感しました。ただ今回の『デストラップ』は、ひたすら明るく賑やかな『コメディ〜』とは違った、計算され尽くした笑い。こちらもまた難題となりそうですが、俳優としては嬉しい挑戦になるのではないかと思います」
愛之助と福田のタッグに期待は高まるが、愛之助が福田色に染まってしまうのでは?という心配もあり……。
「いやいや、それは喜んで染まりますよ(笑)。俳優祭などでは福田さんがよくやられているようなパロディを取り入れることもありますから。そしていつかは“福田歌舞伎”も書いていただけたら……。もちろん歌舞伎を冒涜しない程度にね(笑)」
本作が“福田歌舞伎”への重要な布石になるかもしれない。公演は7月7日(金)から23日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。
取材・文:野上瑠美子
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