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2015年に韓国で初演され、昨年の再演時も連日ソールドアウトを記録した人気の創作ミュージカル『メイビー、ハッピーエンド』日本公演が5月19日、東京・サンシャイン劇場で開幕した。
2044年、旧型となって捨てられ、狭いアパートの一室でひとり過ごす“ヘルパーボット”のオリバー。ある日、向かいの部屋に住むクレアが充電器の故障で助けを求めてきたのをきっかけに、孤独な彼の生活が一変する。同じロボットでありながら、引きこもり気味のオリバーとは正反対に活発なクレア。彼女の強引な誘いで、オリバーは元の雇い主ジェームズに会うため済州島に向かう。旅を終えて戻ったふたりには、プログラムされていなかったはずの“愛”という感情が芽生え始める。だが、故障すれば修理の方法もない彼らは遠くない将来、自分たちが動かなくなる日が来ることをよくわかっていた…。
この日、オリバーを演じたSE7EN(チェ・ドンウク)は、2015年に『エリザベート』でトート役を務めて以来のミュージカル出演。人間そっくりだがちょっと違うロボットらしさや、孤独だったオリバーが変わっていく様子を繊細に見せて観客を魅了した。終演後のアフタートークでは「見たこともないような量のセリフで覚えるのが大変でした。2か月たっぷり稽古したんですが、生まれてからこんなに集中したことがあったかと思うほど」と語った。『レベッカ』などで注目される若手女優ソン・サンウンは、透明感のある歌声と愛らしい演技を披露。さらに、SE7EN顔負けの上手な日本語で「とても感動的な公演なので、また見に来てください」とアピールした。ジェームズをはじめ数役を引き受けた実力派俳優のラジュンは「ピアノ演奏や電動ローラーボードなどに苦労したけれど、観客の皆さんにお会いできたことが何よりも良かったです」とコメントし会場を沸かせた。
SE7ENが「ロボットを通して見える人間の感覚や気持ちに共感してもらえれば」と言うように、終わりを知るオリバーとクレアは誰もがいつかは死を迎える人間のようにも思えてきて共感度満点。キュートなふたりの恋は切なくて思わずホロリとさせられる一方で、彼らを待つ結末には心癒され、じんわり温かな気持ちになるはず。オリバー役はトリプルキャストで他にソンジェ(超新星)と元U-KISSのKEVINが、クレアはWキャストでもうひとりはベテラン女優のキム・ボギョンが務める。心温まるストーリーと素敵なナンバー、魅力ある俳優たちによる秀作ミュージカルは5月28日(日)まで上演中。
取材・文:小田香
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