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オンチと称されながらも熱狂的に愛された伝説の歌姫の実話を元に描いた舞台『グローリアス!』が、8月18日(金)に開幕する。主演の歌姫フローレンス・フォスター・ジェンキンズを演じる篠井英介と、ピアニストのコズメ・マクムーンを演じる水田航生に稽古場で話を聞いた。
本作は、1940年代のニューヨークで、驚くほどオンチでありながら、類稀な魅力で人々に愛されたソプラノ歌手・フローレンスの物語。篠井、水田、彩吹真央の三人芝居で、演出は鈴木勝秀が手掛ける。
水田が「英介さんと彩吹さんが温かくて。演出のスズカツさんも“稽古場ではなんでもいっぱい試して”と言ってくださるので、恐れずに試行錯誤させていただいています」と語る稽古場。「あまり先輩と思わないでって英介さんも言ってくださる」と水田が笑顔で話す通り、ベテランの篠井も「お客様からすると、キャリア何十年の人も初舞台の人も舞台に立ったら同じ。観たい人を観るだけ」とフラットな空気。さらに「スズカッちゃんは穏やかで、役者の中から出てくるものを一生懸命拾い上げて膨らませてくださるのが他の演出家さんと違うところ。こうしろああしろと言うことはあまりない」(篠井)と、3人の俳優全員が、その力をのびのびと発揮する現場だ。
描かれるのは、オンチなソプラノ歌手の少し笑える温かな物語。「これがフィクションだと嘘っぽいんだけど、本当なんだと思うとちょっと面白いですよね」と話す篠井が、主人公の歌手・フローレンスを演じる。女形として「久しぶりにしっかりした女の人の役なので嬉しい」とも語る役柄は、「とにかく音楽が好きで、人前で歌って喜んでいただくことが嬉しくって楽しくってという人。面白がらせようとか笑わせようというのではなくて、音楽を分かち合いたいっていう想いで歌っているので。その純粋さや明るさ、前向きさが大事で、それさえ持っていれば大丈夫なんだろうなと思います」。歌の芝居もチャーミングで、観ていると彼女のファンの気持ちがよくわかる。
伴奏のピアニスト・コズメを演じる水田は「コズメは作品の中で唯一、心境が変わっていく人。だからこそ繊細につくっていかなければと思っています。ただ、英介さんがいつも言ってくださるのですが、個人プレーじゃないので。ひとつの役がほかのふたりによってより深まるような、そんな関係がしっかりと築ければ、登場人物それぞれがどんどん魅力的になっていくと思う」。
三人芝居の魅力、物語の魅力、俳優それぞれの芝居の魅力が堪能できそうな本作。篠井も「夏のレジャーにぜひ!」と誘う公演は8月18日(金)から9月15日まで東京・DDD青山クロスシアターにて。その後、各地を巡演。
取材・文:中川實穗
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