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「東洲斎写楽は女だった…?」という大胆な切り口から、江戸・寛政の世で活躍する芸術家たちの奮闘を追ったミュージカル『戯伝写楽 2018』。8年ぶりの再演を前に、作の中島かずき、初演に続き主役の斎藤十郎兵衛を演じる橋本さとしに話を聞いた。
中島が「クリエイターの話は書いていて楽しいですし、結構気に入っている作品」と自負する本作。1997年まで劇団☆新感線の劇団員だった橋本も、「やっぱりどの作家よりも自分の気持ちを分かっていただいていますよね。言葉ではなく、セリフの中で会話してきてくれる感じ」と、本作に対する思い入れの強さを滲ませる。そんな橋本演じる十郎兵衛とは、写楽の正体ではないかとも言われる男。中島は「誰かをフォローすることで輝くような役をさとしにやらせたら面白いと思って」と語り、それが自身にとっても新たな挑戦だったと明かす。
再演に当たり、新演出として河原雅彦が担当する。中島は「ちょっとアングラな感じになったら面白い。前回が宝塚フレーバーだったら、今回は小劇場フレーバーに」と笑うと、橋本も「リーダー(=河原)は人間描写がかなり細かいので、一人ひとりのキャラクターがもっと明確になるのでは」と期待する。
また初参加の中川翔子が、ただ絵を描くことを求め、十郎兵衛と組むおせいを演じる。中島は「やっぱりオタク気質の子ですからね。写楽にも通じる、ある種クレイジーな部分を見せてくれるのでは」と分析。一方橋本は「天真爛漫に見えて意外とウェットな、影のある女優さん。その影がおせいちゃんにも反映されていくのでは」と予想する。
初参加組には壮一帆や村井國夫らキャストのほか、新感線でもおなじみの森雪之丞が作詞に名を連ねる。「色を重ね刷りしていく浮世絵のように、初演とは違う色が入ることで、また全然違った絵になっていくんじゃないかな。……とうまいことを言ってみました(笑)」との中島のたとえに、「さすが!」と感心しきりの橋本だった。
ちなみに本作と同時期に新感線では『髑髏城の七人 Season月』を上演中。こちらの≪下弦の月≫には、ストレートプレイ版『戯伝写楽』で十郎兵衛役だった宮野真守が主演を務めている。その不思議な縁に、「2作品をはしごするのもいいですね」と橋本。さらに「(髑髏城の舞台の)関東平野から江戸の町へ。つまり江戸が出来る話から江戸の熟成期の話へ」と得意げな顔を見せると、中島から「うまいね!」とのお褒めの言葉が聞かれた。
公演は2018年1月12日(金)から28日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。チケットは抽選先行プレリザーブを受付中。
取材・文:野上瑠美子
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