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傑作小説を原作に、作詞家レスリー・ブリカッスと作曲家フランク・ワイルドホーンが生み出した、世界的大ヒットミュージカル『ジキル&ハイド』。日本でもその人気は高く、2001年の初演以降、今回でなんと7度目の上演を数える。そこで新たにエマ役に抜擢された宮澤エマに話を聞いた。
近年ミュージカル女優として大活躍中の宮澤。そんな彼女にとってもこれだけの名作、さらにジキル博士&ハイド氏役の石丸幹二との共演は、大きなプレッシャーだという。「正直とてもビックリしました。歴史ある作品の一員にしていただけることはとても嬉しいのですが、やはりお客さまの期待値も高い作品だと思うので…。しかもミュージカル界のスターである石丸さんとの共演ですから。石丸さんって歌がうまいというのを超越した、違う次元にいらっしゃる方だと思うんです。そういった方と一緒に歌わせていただく以上、そのレベルに見合ったものをお届けしなくてはいけないなと思っています」。
宮澤演じるエマは、ジキルの婚約者であり、彼を深い愛情で包み込む心優しい女性。「エマ役が決まった時に、『ぴったりだとは思うけど、ある意味この作品の中で一番難しい役だよね』ということをよく言われました。エマはあまりキャラクターのない、いわゆる“お嬢様”に思われがちですが、実はとても強い女性。何があってもジキルを愛し続ける、その強さはいったいどこからくるのか。そして外見の可憐さと内面の強さ、そのギャップをいかに表現していけばいいのか。非常に難しい課題ではありますが、前回、前々回とエマ役をやられた笹本玲奈さんがルーシー役で出演されるので、いろいろ指導していただけたらなと思っています」。
一線を越えてしまったジキルにも、揺るぎない愛を捧げるエマ。さらにハイドに翻弄されていく娼婦のルーシー。果たしてこの物語は、今の観客に何を訴えかけるのか。「いろいろな要素が詰め込まれたミュージカルだと思います。人が人を信じ続ける強さや美しさ。いけないとわかっていても人を愛してしまう刹那。――そういった人の生きざまみたいなものを見せられる作品なのかなと。そしてエマがリアルで、魅力的であればあるほど、物語が持つパワーみたいなものをしっかりとお客さまに伝えられるのではと思っています。決して安いチケットではありませんが、次の日から考え方が変わるような経験が出来る作品だと思いますので、ぜひ劇場へ足をお運びください」。
公演は、2018年3月3日(土)から18日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、3月24日(土)・25日(日)は愛知県芸術劇場 大ホール、3月30日(金)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。東京・大阪公演のチケットは発売中。愛知公演は12月9日(土)一般発売開始。
取材・文:野上瑠美子
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