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オペラと狂言というヨーロッパと日本の伝統的な芸能を結びつけ、高い芸術性と無類の面白さで好評を博している狂言風オペラシリーズ。その最新作『狂言風オペラ“フィガロの結婚 ”モーツァルト・管楽八重奏版』の製作発表が11月17日、大阪市内で行われた。
狂言風オペラシリーズは、京都の大蔵流狂言師、故・茂山千之丞らを中心に2002年にスタート。モーツァルトのオペラを換骨奪胎し、本場ヨーロッパの室内楽奏者の演奏に乗せて、狂言師たちが物語を演じるというユニークなスタイルが話題を呼び、『ドン・ジョヴァンニ』『フィガロの結婚』『魔笛』『コジ・ファン・トゥッテ』のタイトルで、これまでに国内37公演、ドイツ7公演を重ねて来た。
今回の『フィガロの結婚』には芸術監督として新たに観世流能楽師、人間国宝の大槻文蔵を迎え、脚本・演出は笛方藤田流の藤田六郎兵衛が担当する。スイスより来日するクラング・アートアンサンブルの八重奏の中、桐竹勘十郎(人形)が伯爵を、観世流シテ方、赤松禎友が伯爵夫人を演じるなど、狂言に加え、能、文楽など日本の伝統芸能の多彩な要素が盛り込まれた、前作とはひと味もふた味も違った作品になるという。
記者会見には大槻文蔵をはじめ、藤田六郎兵衛、出演の野村又三郎、豊竹呂太夫、桐竹勘十郎(人形共)、鶴澤友之助らが出席。席上、藤田六郎兵衛は「これまでの『狂言風オペラ』とまったく違うものになると感じております。千之丞先生には当時から文楽や能と一緒にやりたいというお気持ちがあられたらしいので、そうした思いがある意味、今回の舞台で完結するのではないでしょうか。東京での4公演は観世能楽堂、京都、大阪ではコンサートホールと、現在、空間の工夫には頭を悩ませておりますが、オペラの好きな方、またはこの日本の能、狂言、文楽の好きな方、すべての方に『え、こんな世界があるの』と喜んでいただける世界を目指してがんばりたいと思っています」と語った。
公演は2018年3月19日(月)、20日(火)、東京・銀座の観世能楽堂4公演を皮切りに、3月22日(木)、京都府立けいはんなホール、3月23日(金)、大阪・いずみホールの3会場にて。チケットは発売中。
取材・文:逢坂聖也
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