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ブロードウェイをはじめ、世界で活躍するトップスターと、日本のミュージカル界を担う城田優が共演するコンサート『4Stars 2017』が12月14日に梅田芸術劇場で幕を開けた。
初めに城田が登場し、観客に「今回はミュージカルや映画の楽曲の中から愛を探求する旅になる」と語りかけ、ミュージカル『ピピン』の『コーナー・オブ・ザ・スカイ』を英語で歌い出す。驚いたのは城田の成長だ。彼は2013年に上演した『4Stars』にも出演し、そのときもブロードウェイスターに引けを取らなかったが、初々しく少しぎこちない場面もあった。しかし、今回はさらにグーンと歌唱力、表現力が増し、堂々たる大人のエンターテイナーぶりだ。城田の紹介で、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンなどを演じてきたラミン・カリムルー、『ラブ・ネヴァー・ダイズ』のクリスティーヌ役などで知られるシエラ・ボーゲスが現れ、その歌唱力に圧倒される。このふたりは前回の『4Stars』にも出演し、日本にファンが多い。そして、最後に登場したのは、今作で初来日を果たしたブロードウェイの新星シンシア・エリヴォだ。彼女がブロードウェイデビューを飾ったミュージカル『カラー・パープル』を筆者は現地で見ているが、劇中でもスタンディングオベーションが嵐のように起こり、その実力は格別だった。同作で共演した有名歌手ジェニファー・ハドソンがノミネートさえされなかったのに、彼女は2016年のトニー賞主演女優賞を獲得。その『カラー・パープル』から同名曲を披露する。憂いをおびたしっとりとした深い歌声は、日本でもファンが急増するはずだ。最後に「アーメン」とほかの3人もエリヴォに重ねて歌い、ハーモニーが波のように広がる。
大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』の『アナザー・デイ・オブ・サン』では、ダンサーが客席に登場し華を添える。さらに、『エリザベート』の有名曲『闇が広がる』を、城田とカリムルーが日本語でデュエット。ふたりの日本語が美しく調和し、観客も意表を突かれて大喜びだ。『オペラ座の怪人』からボーゲスが歌う『墓場にて』、カリムルーが熱唱する『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』など、それぞれが演じてきた役のナンバーも飛び出す。いくら聞いても聞き足りないほど味わい深い。アンコールでエリヴォが歌うミュージカル『天使にラブ・ソングを』の『天国へ行かせて』もパンチがきき圧巻だった。
4人はまさに輝くばかり。その一音一音に心が洗われた。「愛を探求する旅」というが、スターたちの歌声に包まれると、ミュージカルは、音楽は、そんな芸術が生まれるこの世は何て愛おしいものなのだろうと今更のように実感する。探せばすぐに見つかるはずだ。何度でも旅して確かめたい。
公演は、12月14日(木)から17日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、12月20日(水)から28日(木)まで東京国際フォーラム ホールCにて開催。チケットは発売中。
取材・文:米満ゆうこ
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