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漫画史上に燦然と輝く萩尾望都の『ポーの一族』が、宝塚歌劇団花組によって初ミュージカル化される。トップスターの明日海りおは、永遠の時を生きるバンパネラのエドガー・ポーツネル役。「エドガーは巻き毛と青い瞳が印象的。舞台の照明が当たるとどんな効果があるかを考えて、舞台メイクにもこだわりたいです」と、ビジュアルから徹底し役作りに励んでいる。
『ポーの一族』は1972年に第1作目が登場、2016年に40年ぶりの新作が発表され話題となった名作漫画。人間だったエドガーは唯一の肉親である妹を守るためバンパネラ“ポーの一族”に加わり、時空を超えて旅をする。「周りに理解してもらえない苛立ちや孤独感が彼にはあり、演じていて人恋しさも湧いてきます。少年でありながらふとした表情で人を惹きつける圧倒的なオーラや、物事を達観しているところも。そのような独特の雰囲気を醸し出せたらと思います」と話す。
漫画が原作だけに声や動きひとつまで悩む日々。「常にイマジネーションが途切れないよう漫画を読み返し、この角度のほうがきれいに見えるんだ、など役作りのヒントにしています。血を吸う場面はドラマティックに美しく、セクシーにみえるように小池先生にご指導いただいています」。30年以上舞台化を夢見ていた演出家・小池修一郎はどの役にもこだわり、稽古場でも一段と熱が入っている様子。「とても楽しそうにしていらっしゃいます」というから期待が募る。
トップ娘役の仙名彩世が演じるのはシーラ・ポーツネル男爵夫人。「エドガーが初めて目にする魅力的な女性で、憤りや葛藤をぶつける相手でもあります、その気持ちの変化が演じていて面白いです」。柚香光扮するアラン・トワイライトもバンパネラの宿命を背負う。「アランはエドガーにとって唯一無二の存在なのに、埋められない溝があります。柚香自身、神秘的なオーラがある人なので、ふたりの関係性を表現しやすいです」。
特に1幕のラストが好きだという。「登場人物がほぼ全員出てきて、盆が回りセリが上下するなかで『二つの魂』という素敵な曲を歌います。壮大なナンバーで心がしめつけられます」。宝塚ならではの演出で立ち現れる『ポーの一族』の世界。「きっとお客様に舞台化されて良かったと言っていただけると思います」という明日海の力強い言葉が、すべてを物語っている。
公演は兵庫・宝塚大劇場にて2018年元日より2月5日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は2018年2月16日(金)から3月25日(日)まで。1月14日(日)より一般発売が開始される。
取材・文:小野寺亜紀
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