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王に立ち向かう女性を演じて蒼井優が問いかけるものは!?
2017年12月20日 09時30分 [演劇]
蒼井優  ヘアメイク:石川智恵 スタイリスト:田畑アリサ 撮影:源賀津己
蒼井優  ヘアメイク:石川智恵 スタイリスト:田畑アリサ 撮影:源賀津己

映像に加えて、近年は舞台での活躍も印象に残る蒼井優。ことに『三人姉妹』『スポケーンの左手』『あわれ彼女は娼婦』など、翻訳劇に多く求められていることに、どんな劇世界をも担える大きさが表れる。最新作となるのは、フランスの劇作家ジャン・アヌイの悲劇作品『アンチゴーヌ』。ここでもまた、タイトルロールを演じ、人間が社会で生きるとはどういうことなのかという大きな問いを投げかける。

舞台『アンチゴーヌ』チケット情報

『アンチゴーヌ』の戯曲には、10年ほど前に出会っていたという。今ほど演劇作品に触れていなかった当時、出演した『オセロー』のスタッフから読んでおいたほうがいいと渡された戯曲のうちの1冊で、そのなかでも気になる作品となったそうだ。「もともと自分があまり勇気を出せるタイプではないので、こういう戦ってる女の子が好きだったんです。しかもアンチゴーヌは当時の私と同い歳。このヒロインを見てみたいと思ったんですね」。

では、アンチゴーヌは何と戦うのか。生瀬勝久演じる王クレオンが象徴する“国家”“法律”といったものである。国家の反逆者として亡くなり埋葬を禁じられた兄の遺体に、弔いの土をかけて捕らえられるアンチゴーヌ。弔いをやめれば命を助けると言うクレオンに対しても、死刑をも恐れず自分の信念を貫き、その対立がやがて悲劇を導くのだ。「最初に読んだときは完璧にアンチゴーヌ派でした(笑)。でも、大人になった今は、クレオンの立場もよくわかる。どっちも間違ってないというか。私は常々、人間って、ひとつの生命として動物として“世界”に生きることと、ルールを守りながら“社会”に生きることの両方があるなと思ってるんですけど、この作品はまさに、“世界”対“社会”みたいな感じがして。しかも最終的にどちらかに軍配が上がるわけでもないので、観ていただいた方にいろいろ持って帰ってもらえる面白い作品になるんじゃないかなと思いますね」。

セリフ量は膨大だ。「恐ろしい挑戦になるなと思いますが(笑)、だからこそ、相手の役者さんとキャッチボールする喜びも大きいだろうなと。役者同士が向き合ったエネルギーがお客さんに届くといいなと思っています」。十字状に組まれたステージの周りを観客が囲むという構造も、「お客さんと一緒に作れるから楽しみ」だと言い、「お客さんも民衆のひとりだと思って来ていただければいいんじゃないかなと思います」と語る。アンチゴーヌと王の対話のなかに飛び込み、思考する喜びを味わいたい。

公演は1月9日(火)から27日(土)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。その後、長野、京都、愛知、福岡を巡演。

取材・文:大内弓子

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