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石原さとみが4年ぶりに出演する舞台として話題の『密やかな結晶』。原作は小川洋子の同名小説で、次々とモノが消滅していく島で生きる人々の、日常と葛藤が描かれる。そこで石原演じる“わたし”と生活を共にし、彼女を支える“おじいさん”役に抜擢されたのが、村上虹郎だ。
2015年の初舞台以降、年に1本のペースで舞台に立ち続けている村上。映像作品の印象が強い村上だが、舞台にかける思いは強い。「映像作品は、今後それが残っていくことを前提につくられていると思うんです。でも舞台は、今やらなきゃいけない、今やりたいことを、今観てもらいたいからつくっている。その空間を演者と観客が共有しているわけで。舞台は生ものなので映像とは全然違うもの。僕が今おじいさん役を演じられるのも、舞台ならではだと思います」。
そう、この作品で村上が演じるのは、原作では“おじいさん”そのものとして描かれている人物。しかしこの舞台では、20歳前後の容姿を保ったままの“おじいさん”として登場することになる。「すごいテーマがきた!という感じでした(笑)。(演出の)鄭(義信)さんにお会いしていない段階でこの役をいただいたので、どういうことなんだろう?と考えているところです(笑)。過去に舞台で僕が演じた役は、どれも跳ねているイメージなんです。すごく危ういというか、舞台上にいたら目に止めてもらえる役。でも今回はどちらかというと“見守る”役。今までとまったく違う分、超楽しみではありますね」。
そんな新境地ともいえる役どころに対し、村上はどのようにアプローチしていくつもりなのだろうか。「今まで演じてきた役に比べて、アプローチの道がたくさんあり過ぎて…。ただ共演者の皆さんの中には、僕より年上の男性がたくさんいらっしゃるので、まずはその方々がどう思っているのかを聞くことが、おじいさんを演じる上では一番リアルかなと思っています。その筆頭にいるのが鄭さんですね」。
わたしとおじいさんの生活は、R氏という男性の登場、さらに秘密警察の介入によって大きく揺らいでいくことになる。「構造としてはすごくシンプルな話だと思います。ただすべてが抽象的で、秘密警察の正体も、モノが消滅していく理由もわからないまま。だから人によって受け取り方はさまざまだろうなと思います。でもこれだけは確実に言えます。この舞台は絶対に面白くなります!」
舞台『密やかな結晶』は2月2日(金)から2月25日(日)まで、東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケットは現在発売中。また2月22日(木)18:30に追加公演が決定。追加公演のチケットは12月23日(土・祝)午前10時より一般発売。
取材・文:野上瑠美子
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