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佐々木蔵之介がねずみ男!? 水木しげるの世界が新作舞台に
2018年07月13日 17時35分 [演劇]
佐々木蔵之介 撮影:イシイノブミ
佐々木蔵之介 撮影:イシイノブミ

黒沢清監督によって映画化もされた『散歩する侵略者』(2005年初演)などを代表作とし、第52回紀伊國屋演劇賞で団体賞を受賞した“イキウメ”を主宰する劇作家・演出家の前川知大。自身が敬愛する漫画家・水木しげるの世界をモチーフにした新作『ゲゲゲの先生へ』を今秋、東京芸術劇場プレイハウスほかで上演する。主演は、『抜け穴の会議室』(2007年)以降、前川と多くの舞台で組んでいる佐々木蔵之介。先日、この注目作のビジュアル撮影現場を取材した。

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水木をモチーフにした作品では、NHK朝ドラにもなった夫人の自伝エッセイ『ゲゲゲの女房』が有名だが、『ゲゲゲの先生へ』は水木の評伝劇でも、また水木作品の舞台化でもない。作品はもちろん、エッセイやインタビューに遺された彼の言葉やエピソードを用いて“水木しげるの世界観”をひとつの物語に編み上げる。

現場に入る前、取材陣に対して佐々木の役柄は、水木しげる役ではないという以外、明確には伝えられていなかった。ただ、「(『ゲゲゲの鬼太郎』の)ねずみ男、かもしれない」という気になる情報は漏れ聞こえていた(後日、「主人公はねずみ男をモデルにする」という明確な発表あり)。

堂々たる二枚目の佐々木と、狡猾な三枚目キャラのねずみ男のイメージがつながらないまま現場に入ると、クタッとしたジャケットの中に白の開襟シャツという、戦時中の男性のような服装の佐々木がカメラの前にいた。ねずみ男というヒントは、あらかじめ佐々木に伝えられていたのだろう。少し猫背で、横柄にポケットに手を突っ込みながら、やや出っ歯気味にしてニヤニヤと含み笑いをする。端正な顔立ちと長い手足は隠しようがないが、意外にもちゃんと“不気味”な印象を抱かせる。

ごく近くで見ている前川は撮影中、一切口を挟まない。ディレクターの指示に合わせ、佐々木はリラックスした様子でゆったりと、無言のまま体を動かし続ける。ごくシンプルな背景と相まり、コンテンポラリーダンスのパフォーマンスを観ているような感覚があった。またどこか性別を超えたような、さらに言うと人間のようで人間でないような。ねずみ男とは水木オリジナルの妖怪で、人間と妖怪との間に生まれた半妖怪であるという。「超人的なヒーローになっていく鬼太郎に対し、ねずみ男はいかにも人間くさい。妖怪だらけの世界で、ひとり人間の現実を背負っている。妖怪なのに」とは、前川の言葉。佐々木に信頼のこもった熱い視線を送る前川の背中から、スタートしたばかりの『ゲゲゲの先生へ』の確かな勝算が伝わってきた。

舞台『ゲゲゲの先生へ』は10月8日(月・祝)から21日(日)まで、東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。その後、長野、愛知を巡演。東京公演のチケット一般発売に先駆けて、プレリザーブを実施。受付は7月14日(土)午前11時から19日(木)午前11時まで。

取材・文:武田吏都

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