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多部未華子が楽しみにする密室でのスリリングな会話劇
2018年07月27日 16時35分 [演劇]
多部未華子 撮影:石阪大輔
多部未華子 撮影:石阪大輔

何の接点もない男女3人が、窓もなく扉も開かない密室に集められた……。そんな設定から始まる舞台『出口なし』に、大竹しのぶ、段田安則とともに、多部未華子が出演する。屈指の実力派を相手にしながら、このスリリングな状況にどう立ち向かっていくのか。

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『出口なし』の作者は、“実存主義”で知られる哲学者ジャン=ポール・サルトル。劇作家・小説家の顔も持つ彼の代表作がこの作品である。だが、哲学者が書いたという先入観は無用。多部もその中身の印象を、「難しいことが書かれているのかなと思って読み始めたのですが、想像していたほどでもなく(笑)、会話劇だったので、どのように会話を交わしていけるんだろうと演じるのが楽しみになりました」と語る。しかも、その会話を交わすのが3人だけという世界。「ちょうど少人数でやる濃密な作品を演じてみたいと思っていたところでもあった」そうだ。

ただ、そこで繰り広げられる会話の内容は、ちょっとコワイ。初対面の人間同士が自分の素性や過去を語り出すなかで、やがて、互いに挑発したり傷つけたりする言葉をぶつけ合うようになっていくのだ。「“この人たちには別にどう思われてもいい”と思うから言えるような、普段は口にできない言葉が並んでいるんです。でも、だからこそそれを言えるのは楽しいでしょうし(笑)。舞台では、映像では求められないような役をさせていただけることがうれしいんです」。

まだまだほかにも楽しみにしていることがある。まずは大竹&段田との共演。大竹とは2度目の共演になるが、「この稽古場ではどのように過ごされるのか、どのように演出家さんとコミュニケーションを取って、どうお芝居を作っていかれるのか。もう、全部が楽しみで仕方ありません」。そして、演出を手がけるのが初めてのタッグとなる小川絵梨子であることも、多部がこの舞台に大いに惹かれたところ。「“小川さんとやってみたら面白いよ”と言われることが多かったので、気になっていた方だったんです。それに、女性の演出家さんとやってみたいという興味もずっとあったので、どのような演出をされるのか、何より楽しみなんです」。多部からあふれるワクワク感。それがどんな形になって届けられるのか、心待ちにしたい。

公演は8月25日(土)から9月24日(月・祝)の新国立劇場 小劇場での東京公演のあと、27日(木)から30日(日)にサンケイホールブリーゼにて大阪公演を上演する。チケットは発売中。

取材・文:大内弓子

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