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尾上右近主演、珠玉の翻訳劇が大阪で大千秋楽!
2018年08月03日 16時02分 [演劇]
尾上右近
尾上右近

歌舞伎俳優の尾上右近が、現代劇に初挑戦。ピューリッツァー賞戯曲部門賞受賞の翻訳舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル〜スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ〜』が8月4日(土)、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。「作品が面白かったという声が聞けてうれしかった」と充実の東京公演を終え、大阪で大千秋楽を迎える。

「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル〜スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ〜」チケット情報

人生の目的を見失い、薬物中毒にあえぐ人々――。他者とつながりたい願望と切実に避けたい感情が、現実世界とネットの仮想空間を用いて表現される。薬物中毒で育児放棄した母親オデッサ(篠井英介)に代わり、伯母ジニーに育てられた主人公エリオット(右近)。今はバイトで生計を立てるが、過去に出兵したイラク戦争で負った傷を癒すため、モルヒネ中毒も経験していた。一方のオデッサは、ドラッグ中毒者の救済を目的としたサイトを運営中だ。ある日、闘病中のジニーが他界したことで、ふたつ(ふたり)の世界の均衡が崩れはじめる。

現代アメリカが抱える問題に材を取った物語だが、「無理に理解しようと努めなくても大丈夫」と言う。「時代や環境が変わっても、問題に付随する人間の心の動きは変わらない。みんな弱虫でみんないいやつ。一歩を踏み出そうともがいているエリオットも完璧な人間ではないから、悲しいけど笑っていたり、黙っているけど心にはいろんな葛藤が渦巻いていたり、多面的な部分にも共感できる。焦らず見つめていただければ自然と1幕で抱いた疑問が2幕で紐解け、最後には心温まる作りになっている。そこが不思議で素敵な作品だなって」。

初の現代劇。一番の収穫は演出のG2から、「役者には作品のメッセージを伝える役割がある」と学んだこと。「なぜこの場所に立つのか、なぜこのタイミングでセリフを発するのか、すべてのことに意味がある。歌舞伎では何の疑いもなく型通りに演じていましたが、型を役の心の動きと捉えると、以前とは感じ方が全然違う。役者としての心構えはどうだったのか、自分を省みて根っこを育む時間もいただけた」。迎えた本番では、世阿弥が言う『離見の見』を痛感したとも。「熱中していても客観性がないと役の本質を見せることなく、パフォーマンスで終わってしまう。小さくまとまらずに作品のコマとしての役割も果たす。冷静と情熱、そのバランスが難しい。本番になるとつい自分をアピールしたくなるので」と快活に笑う。

春には、大阪松竹座にて上演されたスーパー歌舞伎U『ワンピース』で、堂々市川猿之助とのダブル主演を勤めた尾上右近。役者兼清元というふたつの顔を持つ、気力、体力、愛嬌たっぷりの26歳がまたひと回り太くなった幹から、大千秋楽で思いの丈を花開かせる。「泣いても笑っても最後。失うものは何もない」と意気込む彼の冷静と情熱の間、見届けて。

公演は、8月4日(土)13時から大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケット発売中。

取材・文:石橋法子

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