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1960年代にザ・ビートルズと並ぶほどの人気を誇った、アメリカの4人組男性ポップスグループ「フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ」。彼らの栄光と挫折を描いたブロードウェイ発、ジュークボックス・ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』の日本版が、一部キャストを替え2年ぶりに再演される。2016年初演では全日完売に沸いた大ヒット作だ。ブルーとホワイト、2組での交互上演。再演では東京に加え、大阪ほか全国5か所に初登場する。「音楽を扱う作品はライブに限る。生命力に溢れていました」と、日本版初演を観劇しスタンディングオベーションを送ったという伊礼彼方が、トミー役で初出演する。
本作は4人のメンバーが四季ごとにひとりずつ、それぞれの経歴や音楽を語り継ぐ構成。『シェリー』、『君の瞳に恋してる』など劇中で披露される大ヒットナンバーの完成度の高さでも称賛を集めた。5月のコンサートイベントで一足先に歌声を披露した伊礼は、初演メンバーの意識の高さに感銘を受けたという。「作品に対する愛情の深さや責任感の強さはスタッフ陣からも感じられた。なんて幸福な現場なんだと感動した」。同時にレベルの差も痛感。「負けてなるものか」と、本稽古を前に歌の“陰練”に励む日々だ。
トミーとニック、2役でのオーディションだったが、出演するならトミーと決めていた。「これまで作品の冒頭から物語を立ち上げるという役の経験がなかったので、春を担うトミー役は絶対でした」。マフィアとも通じるトミーとの共通点は「ちょいワル気質」と即答する。「工業地帯育ちなので僕も10代の頃には、多少やんちゃなことも経験した。ダブルキャストの中河内雅貴くんも似たように熱い気質ですが、トミーは一見すると真面目にも見える。僕は自分でいうのもなんですが、甘いマスクで品があるらしいので貴族とか偉い人の役が多いんです(笑)。そういう部分も活かしつつより人物像に近づけられたら」。
ミュージカルと異なり「役の感情で歌に入らないところ」にも魅力を感じている。「それまで険悪だったのに、キューが入ると突然アイドルチックに歌いだすとか。物事の“裏側”まで垣間見れるのが面白い。どんな人間も表と裏があるから魅力的だし、曲の意外な成り立ちも知れる。舞台上ではシーンの裏側の風景がモニターに写し出されるので、お客さんも僕らと同じ目線で4人の成長を見守るような感覚になると思う」。ブルーかホワイトか。「迷ったら、ぜひブルーへ!ブルーには僕とSpi、ふたりのハーフがいるのでより海外版の雰囲気を、ホワイトは日本版としてより腑に落ちる部分があるんじゃないかな。公式の見解かって? 僕はそう思っています(笑)」
公演は、9月7日(金)から10月3日(水)まで東京・シアタークリエにて、10月24日(水)から28日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて上演。地方公演あり。チケット発売中。
取材・文:石橋法子
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