タレント ニュース
演 劇
9月2日(日)まで、東京国際フォーラム ホールCで上演中の『ワンピース音宴』。最高に楽しいので、おすすめだ。まず、参加感が半端ない。開演前には観客と一緒に“クラップ”、つまり手拍子の練習。キャラクターはもちろん、楽器を演奏するキャストもガンガン客席に降りてくる。舞台と客席が仕切られた劇場の感覚を超えて、四方八方から生演奏の洪水!まるで、自分がルフィの冒険に参加しているような気分になった。
その上、演奏が著しく上手い。日米で活躍するブラス・パフォーマンスの選りすぐりの精鋭ミュージシャンが集まっただけあり、ある時は役となって演じ、ある時は動きながらも演奏にブレがない。その音の素晴らしさに浸れる喜びといったら!奏者が動くことで音の遠近が楽しめるところも、マーチングの醍醐味。とにかくこの音楽を聴くだけでも幸せなのに、そこに物語性と華やかなパフォーマンス、映像など様々な仕掛けが加わり、満足感でいっぱいになった。
一部では、イーストブルー編として、ルフィと仲間たちとの出会いが綴られる。子供時代のルフィが赤髪のシャンクスから、麦わら帽子を渡されて、泣きながら海賊になることを誓うシーンは、胸熱のひと言。そこから大人になり、ウソップ、サンジ、ゾロ、ナミとのエピソードが綴られる。
印象深かったのは、サンジの料理シーン。コック姿の演奏隊が大勢で現れ、フライパンやリズムを奏でながらパフォーマンス。ビッグバンドを思わせるジャジーでノリノリの曲に合わせて、サンジが包丁でリズムをとり、HIPHOPのフロア技、ストリートダンスを披露。最後には、サンジを中心にキッチンがグルグル回るという、舞台ならではのマジックで魅了した。
打って変わって、ゾロ対、鷹の目のミホークの戦いは、1対1の真剣勝負。殺陣で剣が合わさる音を楽器で表現し、そのシリアスさに鳥肌が立った。見ているこちらも手に汗握る迫力で、ゾロの「俺はもう二度と負けねえ」が胸に迫った。
一部ラストでは5人が揃い「海賊王に俺はなる!」。この先の物語を壮大な予感させ、たまらない気持ちになった。
二部は“宴”という名の通り、まさにお祭り。ワンピースの名曲の数々が披露される。ナミのバトントワリングをはじめ、キャラクターの得意技が盛り込まれるのが面白い。この曲をこの楽器で?!こんなアレンジで?!と、意外なアプローチもこのステージならでは。音が生きている、粒立っているのを、肌で味わえた。
ワンピースを知っていても知らなくても、楽しめることをお約束する!今までにないブラス・エンターテイメント、ぜひ目撃してほしい。
取材・文:三浦真紀
関連リンク(外部リンク)
関連タレント
演劇のニュース もっと見る
-
演 劇
2022年07月15日 19時00分 更新「とんでもなく面白い」 舞台『ヒトラーを画家にする話』まもなく開幕へ -
演 劇
2022年07月15日 18時55分 更新ミュージカル『春のめざめ』開幕、抑圧の中で芽吹く性の行方 -
演 劇
2022年07月15日 18時50分 更新「今年は今年の面白さ」 KAATキッズ・プログラムが今年も開幕へ -
演 劇
2022年07月13日 13時00分 更新乃木坂46の久保史緒里が決して“笑わない”花魁役に -
演 劇
2022年07月12日 10時00分 更新円神・山田恭「翼を授かって自信に変えたい」、白鳥雄介の新作で