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この夏、萩尾望都原作、野田秀樹共同脚本の名作舞台『半神』に主演した、乃木坂46キャプテン桜井玲香。中屋敷法仁のハイスピードな演出、コンドルズメンバーでもあるスズキ拓朗のユニークな振付にも食らいつき、美しい妹と腰でつながった醜い結合双生児の姉を好演。華やかな容姿に高い身体能力、滑舌の良さも際立ち、舞台女優としての可能性を強く印象づけた。そんな彼女がオーディションを経てゴシックロマン・ミュージカル『レベッカ』のヒロインに大抜擢。大塚千弘、平野綾とのトリプルキャストで東宝ミュージカルに初登場する。
『レベッカ』は女流小説家ダフネ・デュ・モーリアの同名長編小説が原作。アルフレッド・ヒッチコックの映画版でも知られるスリリングな男女の愛憎劇だ。舞台版は『エリザベート』『モーツァルト!』の人気脚本家&音楽家コンビ、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが2006年、ウィーンでミュージカル化。日本版の上演は8年ぶり3回目(大阪公演は2回目)。不遇な幼少期を過ごした「わたし」(桜井玲香)は年上の上流紳士マキシム(山口祐一郎)と運命的に出会い結婚、彼の邸宅で新婚生活を始める。しかし、事故死した先妻レベッカに長年仕えていた家政婦頭ダンヴァース夫人(涼風真世・保坂知寿)からの視線は冷たい。そんなある日、レベッカの死に関する新事実が浮上して……。
昔から困難に立ち向かうヒロインが大好きで、ディズニーなら『シンデレラ』よりは『ポカホンタス』をよく見ていたという桜井。今回の「わたし」も「純粋でどんどん強くなっていく」憧れの役柄だ。「台本では暗く感じられたお話も、舞台になると衣装が華やか。音楽も柔らかく、明るい印象に変わりました」。トリプルキャストは先輩に学び、技を盗めるチャンスと捉える。「普段はアイドルとして活動しているので、そのときの音楽活動をひとつの武器と考え、自分らしいアプローチで役の個性を出せれば。この舞台はヒロインの歌から物語が始まるので、震えずに第一声を発することができるのか不安ですが、しっかりと期待に応えたい」。
女優の現場は「ある意味リラックスして取り組める」という。「負の感情や醜い部分も隠さず、人間らしさを解放できるので。舞台は生き物みたいに毎日感情が変化するのが快感です」。将来はアイドルと並行して、映像も舞台もこなせる役者になるのが夢だ。「大舞台ですが、自分なりに頑張って楽しみたい。すばらしい初演を追いつつ、今回ならではの良さを上乗せしてお届けできればと思います」
公演は、東京・THEATRE1010でのプレビュー公演を経て、12月20日(木)から28日(金)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2019年1月5日(土)から2月5日(火)まで東京・シアタークリエにて上演。地方公演あり。チケットは順次一般発売開始。一般発売に先駆け、9月10日(月)11:00まで、大阪公演のプレイガイド最速先行を受付中。
取材・文:石橋法子
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