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「挑んでよかった」ヨーロッパ企画は20周年ツアー中!
2018年09月07日 16時05分 [演劇]
ヨーロッパ企画 撮影:イシイノブミ
ヨーロッパ企画 撮影:イシイノブミ

現在、全国を巡演中のヨーロッパ企画20周年ツアー「サマータイムマシン・ブルース」 「サマータイムマシン・ワンスモア」が、11月10日(土)に神奈川・関内ホールで大千秋楽を迎える。開幕から約1か月上演しての感想を、代表で作・演出を手掛ける上田誠、メンバーの石田剛太、酒井善史に聞いた。

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20周年を記念し、2001年に初演された初期の傑作「サマータイムマシン・ブルース(以下、ブルース)」と、その15年後を描く新作「サマータイムマシン・ワンスモア(以下、ワンスモア)」を交互上演する今回のツアー。幕が開いて上田は「今回の、初期の作品と新作を見比べてもらうという企画は、今の僕らとしてはハードルが低いものではありませんでした。“20年経っておもしろくなくなったな”と言われるのが本当に怖かった」と明かす。しかし実際の評判は上々。「挑んでよかったなという気持ちです。20年の蓄積で、役者の力、スタッフワーク、脚本と、昔にはない結集感があると言われて。いい20周年になったなと思います」。舞台に立つ石田も「お客さんが一緒になって楽しんでもらえてる感覚があり、やっていてすごく気持ちがいいです」と笑顔を見せる。

2作品を交互に上演する毎日。石田が「『ブルース』が意外と難しいんですよ」、酒井も「感情の変化が今の僕らと違うから、一瞬ついていけないときがある」と明かすと、上田は「『ブルース』は元気なんです。作家って、続ければ続けるほど書く筋肉がついて作品の尺が長くなるもので、昔は僕も1時間の劇が精一杯でした。そこからだんだん書けるようになってきて、新作の『ワンスモア』は2時間半あります。だから若いときに書いた『ブルース』は、ストーリーの量は少ないのですが、その代わりに筆が元気にあちこち走っている。まだ書き方をわかっておらず、あっち行っても楽しいしこっち行っても楽しいしという“書くのを楽しんでる感じ”がすごくあって。いい意味でも悪い意味でも無駄な台詞がすごく多いんです。逆に『ワンスモア』は無駄がない。すべてに意味があるし物語としても深くなっています」と根本の違いを語る。その違いが、演じるうえでは「『ブルース』は元気で『ワンスモア』はテクニカル。両方違う部分で大変なのですが、それがいいですよね」(酒井)とよい緊張感に繋がっているのだそう。

「20年やって、やっとわかってきたことがあり、最近いろんな歯車が合い始めた感覚もある」(上田)というヨーロッパ企画の“今”を堪能できる公演は、11月10日(土)の神奈川・関内ホールまで全国で上演。また、9月8日(土)24時からはテレビ神奈川にて、ヨーロッパ企画20周年記念ツアーのメイキングやメンバーの特別座談会、ゆかりある方々の証言集など盛りだくさんの特別番組「ヨーロッパ企画20周年特別番組 サマータイムマシン・ブルース+ワンスモア」が放送される。

取材・文:中川實穗

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