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KAAT 神奈川芸術劇場とまつもと市民芸術館による初の共同プロデュース作品、ベルトルト・ブレヒトの傑作喜劇『マン イスト マン(男は男だ)』が来年1月から2月にかけて上演される。出演者の安蘭けいに話を聞いた。
英軍隊を舞台にした、笑いとユーモアの中で“人間とは何か”というアイデンティティをめぐる物語。「難しいと言われるブレヒト作品ですが、(脚本・演出の)串田さんの世界観でつくっていくと、エンターテインメント作品になるんだろうなと想像しています。だから構えずに楽しみに来てほしいですね」と安蘭。串田とは『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』(2015年)以来のタッグだが、串田作品の楽しさは「固定概念を覆されること。この人はなんて自由な発想をするんだろう!って。私の想像をはるかに超えたところに串田さんの思考や想像があって、“初めて出会った人”という感じでしたね。現場がすごく楽しかったので、今回声をかけていただけて嬉しかったです」
自身もさまざまな海外戯曲を経験してきたが「こういう“名作”と言われる海外戯曲って、自分ひとりで読んでも限界があるんです。戯曲の奥に描かれたものや“このひとつの台詞にこんな意味が込められているんだ”ということを理解するために、まずは作家の思考性を知ること、そして稽古場で演出家さんと話すことを大事にしています。そうやって紐解いていくことが、海外戯曲の楽しさだと思いますし。まずはブレヒトのことを勉強しなくちゃいけないなと思っています」と誠実に挑む。作品のなかで安蘭が演じるのはペグビックという人物。「飲み屋の“おかみ”のようなイメージです。酸いも甘いも知っていて、いろんな人を掌で転がすような。私におかみの素質はめちゃくちゃあると思うのですが(笑)、おかみ役は初めてなので、新しい一面が出せると思います」
S席はテーブルがあり料理付き、A席でも座席で飲食ができる面白い設定。「これは私も初めての経験です。どの劇場でもできることではないと思うので、こういうユニークな上演を通じて演劇の楽しみ方を知るきっかけになるといいなと思います。客席の空気って実は舞台上にすごく影響を与えるので、どうなるのか楽しみですね」
歌やダンスをちりばめた演出になるという本作。「私自身としては、舞台上で歌を披露するのが『リトル・ナイト・ミュージック』(2018年4〜5月)以来なので、そこもぜひ注目してください!」。公演は1月26日(土)から2月3日(日)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ、2月8日(金)から13日(水)まで長野・信毎メディアガーデン1Fホールにて上演。チケットは現在発売中。
取材・文:中川實穗
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